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リスクを認め付き合うこと [雑感]

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今、ギョーザ問題が、マスコミで花盛りだ。まあ、それはそれでいい。被害に遭われた方々も、まったくの災難である。お見舞いの言葉を申し上げるしかない。もし、今回の件が、意図的な有機リンの混入であるならば、それはそれで悪質な事件であり、しかるべき対応が求められることはいうまでもない。

ただ、この事件の報道を通して、私が素直に思うこと

「食品は、絶対に安全にあるべきだ」

という「絶対~べきだ」という思考回路にどっぷりと社会全体が染まってしまってはないかという危惧である。

この思考回路は、認知行動療法の著書で有名なデビット・D・バーンズが、認知の歪の一つとして挙げている。

認知の歪みの10パターン より引用
(※ リンク切れのためこちらのブログをご参考ください→ http://d.hatena.ne.jp/cosmo_sophy/20050119 )

<「べき」思考> 

「~すべきだ」あるいは「~すべきでない」という基準で行動しようとし、そうしないと処罰されるように感じる。 その結果、罪の意識が高まる。
他人に「べき言葉」を乱発している時には、 怒り、欲求不満、恨みを感じているのだ。

記事を引用してみる。記事の端々から、業者を責め、非難する論調を感じ取れる。私は、その裏にメディア側の「べき」思考を感じてしまうのだ。

http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20080130-567-OYT1T00832.html   魚拓
JT「農薬とは思い至らなかった」…ギョーザ食中毒で会見
2008年1月30日(水)23:43

 ジェイティフーズの親会社のJTと、商品を販売した日本生活協同組合連合会(生協)は30日夕、東京都内で記者会見を開いた。冒頭、JTの岩井睦雄取締役が「多大なご迷惑をかけておわび申し上げます」と述べて陳謝。岩井取締役によると、国内に届いた商品のサンプルについて、細菌検査と試食は行っていたものの、農薬について調べる薬品検査は行っていないといい、中断をはさんで4時間以上に及んだ会見で、「農薬とは思い至らなかった」と
弁明に終始した。ギョーザの原材料を対象にした薬品検査は中国の工場側が年に1、2回行っていたという。兵庫県の食中毒事故の後、回収措置を取れなかったのかと問われると、岩井取締役は5秒ほど沈黙して「(事案の概要を)調べるだけにとどまってしまった」と表情をこわばらせた。今後の対応についても「どういう形で防げるかをきちんと検討したい」と答えるにとどまった

ギョーザ問題で、メディアは、JTを叩いている。

「対応が遅いのではないか!」
「1回目と2回目で、きちとしていれば、3回目は回避できなかったのではないか!」

報道陣がこんな質問を投げかけていた光景がTVでも報じられていたように思う。

私は、違和感を感じた。

食品業者の立場に立てば、今回の出来事を予見できて、すぐに対応できただろうか?

と思ったからだ。だから、私はこの取締り役のコメントは無理もないと素直に感じる。

普通、食品生産ラインに、有機リンが安全限度の10倍以上も混入するなんて、考えるはずもないからだ。

たとえ話をしてみよう。

普段便利な水道水。 そこに、水銀が混入した事例が発生した。それは、化学工場の地下を通る水道管に、だれかが悪意をもって、水銀の工業廃液が通る管を意図的に接続した。その結果、ある地域に水銀中毒患者が発生した。こんな事件が明るみに出た・・・

今、こんな事件起きてませんよねえ。 でも、皆さん、起きる可能性は「ゼロ」じゃないですよね。 じゃあ、その可能性を考えて、今から日本全国すべての水道管を調べるであろうか?普通、ことが起きない限り、水道管を特別に調べることはないと思う。だから、リスクとしてそれは存在し続けているわけである。
ただ、メディアが騒いでいないだけのことだ。
でも、実際このことが現実におきれば
メディアは、「水道管点検 杜撰 怠慢 もっときちんと点検しておくべきだった!」とか言って、叩くであろうし、その批判に耐え切れずに、日本全国、水道の一斉点検が本当に始まってしまうだろう。 

私には、そういう風に報道が見える。 だから、取締役のコメントは無理もないと思う。

では、私は食品業者に同情の気持ちを抱くのは、そのことだけだろうか?

そういう自分を見つめてみた。どうもそれだけではなさそうだ・・・・・

わかった。

メディアが、食品会社を責め立てる論理や姿勢は、まさに、医療問題のなかで、我々が彼らメディアから受けている仕打ちと全く同じものだからではないのか?

我々は、医療の現場では、予見が困難であるかという事例であったにも関わらず、メディア報道や司法判定で、
「・・・すべきであったのにできてないじゃないか! だから、お前が悪い」
と言われ続けている。それは、現場の医師の心に、確実にものすごい影響を及ぼし、心折れた医師から順次現場撤退という形の行動化が静かに起こり始め、そして今では、はっきりと世間に目に見える形でそれが表出している。しかも、その動きは、未だとどまるところを知らないというのが今現在の状況である。

社会が「べき」思考で犯された結果、医療が崩壊に向かっている

と私は考えるわけである。

こういう視点でみると、食品業者が叩かれている構図は、医療者が叩かれる構図と似てると思えないだろうか?

そのような冒頭に述べた「べき」思考を文章化すると次の2文。

「食品は、絶対に安全でなければならない!」
「医療は、絶対に安全でなければならない!」

この思考に支配された人(社会)に、何かか「こと」が起こると、こんな反応になる。

「食品会社の責任だ!」
「医療者の責任だ!」

一方で、私達は、食品会社の努力のおかげで、日ごろは、安全で便利な食を提供していただいている。それはそれで、大変ありがたいことだと、私達は感謝したい。その感謝の表明は、残念ながら報道を通して何も伝わってこない・・・・ 当たり前のことには、感謝の意を表明しないというのが今の社会風潮だからだ。

こういう風に考えると、医療業界も食品業界も同じということがわかると思う。

当たり前のことに、人は感謝の気持ちを忘れてしまう・・・

そのことに気がつかせるのもメディアの一つの社会的役割ではないだろうか??
メディアは、それをすっかり忘れているのか、それとも射程にすらないのか・・・・???

では、「べき」思考に犯されないとすれば、どんな風に考える? という疑問が当然出る。

「食品は、安全を目指すけれども、ときに安全でない」
「医療は、安全を目指すけれども、ときに安全でない」

ということではなかろうか?

そう考え直すと、今回起きてしまったことには、ある意味仕方がないとあきらめることも必要ではないか?
もちろん、再発予防の努力が必要なのは言うまでもないが・・・・。
もちろん、犯罪ならば、断罪されてしかるべきであるが・・・・・・・。
しかし、起きてしまった過去のことを責めたてるだけでは、誰もハッピーになれない・・・と私は思う。

世の中、生きていくには、何らかのリスクがあり、それとどこかで遭遇してしまうかもしれない。それは、その人の運命でしかない。時に、その人が、自分自身かもしれないし、自分の家族かもしれない。それでも、やはり運命である。

リスクは避けるべき、努力はする。できる努力はするが限界もある。
そして、リスクが現実化して起きてしまったときは、もう仕方がないと諦める・・・・

いつなんどきでも、思わぬリスクに遭遇して、自分の命を失ってしまうかもしれない。大事な家族の命を失ってしまうかもしれない。それでも、いざとなればそのことを諦めることができるように、「自分の今」を「大事なもの」、「ありがたいもの」として生きておくことが大事だと思う。 自分の死や家族の死を、このような形で普段から自分の心の中にあらかじめ予見しておき、その相対として「今」を生きることともいえるのかもしれない。

そう考えることができる人は、自然と無理のない結果として、豊かな人生を送れると私は思う。

一方、そう考えることができない人は・・・・(どうかこれは、読者自身でお考え下さい)

以上、ギョーザ事件から私が思うことでした・・・・


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コメント 26

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moto

欝とか、自分のなかで問題抱えてるひとは、その解決のために「認知の歪み」を探し出して、それを歪みとして認識することは有益ですね。
しかし、自分は正常だ、と確信しているひとに、「あなたは認知の歪みを抱えている」と指摘しても、なかなか素直に受け入れてはもらえません。ここが難しいところです。

カウンセリング技法では、まずは傾聴傾聴で、ときどき相手が言葉に詰まったら、それまでの話をオウム返しに短くまとめて返したりする作業繰り返しますね。「これがこの人の認知の歪みか?」と思っても、確信が持てるまでは決して介入には移らない。もし外れてたら、それまで培ってきたラポールが一気に崩れてしまうから。

わたしも含めて、医者と言うのは、意外と心理学には無知です。素人さん・一般人のほうがよく勉強していたり、心得ていたりします。
かくいう私も、欝の回復期のときに、ある方にネット上でカウンセリングしていただき、傾聴・介入と絶妙な心のトゲ(認知の歪み)抜きしてもらって、眼からウロコでした(爆)。その方は、自身心を病んで、その手の本を読み漁ったかたなんですが、医者の不養生じゃありませんが、他人はカウンセリングできても自分の問題(心のトゲ)は自分では解決できないらしいですね。
そうだそうだ、カウンセラーで心の悩み抱えてるひと、意外に多いって聞いたことあるなあ。
by moto (2008-02-02 13:17) 

moto

続き)ネット上で文章を書くということは、他人に語りかけているように見えて、実は、自分自身との対話であったりします。
本日のエントリーなどは、なんちゃって救急医先生が、こういう考え方があるんだ、ってネット介して世間に訴えている部分もおありでしょうが、四分六くらいで、ご自身の中へと語っていらっしゃるんじゃないかしらん。
ご自身の中で、いろいろなことを受容することで、豊かな人生へとつなげようと、葛藤していらっしゃるのかな?なんて思いながら読ませていただきました。
by moto (2008-02-02 13:37) 

skyteam

 自分はJTが売りつけている「たばこ」のリスクの方がよっぽど大きいと思ってますw。逆にいうと、食品事業で叩くことなんて、簡単で、JTという会社が2兆円も出してイギリスの会社を買って、ビジネスを世界で転換していることを考えたら、そっちを許容することの方がよっぽど・・・w。
 本当、日本のマスコミの近視眼的なやり方バランスが悪いですよねぇ。マスコミはすぐに「企業」を叩く。よっぽど食品の自給率の問題とかの方が問題でしょうし、たばこの長年にわたる害悪の方がよろしくございませんがねぇ。
by skyteam (2008-02-02 16:28) 

山口(産婦人科)

私もこの餃子報道を見聞きして思ったのが「いつもと違う味だとか、苦いとか、変なことを感じたのに、なぜそのまま食べ続けたのか?」ということです。自分の五感に頼るという、一番基本的な防衛法をなぜ実行できなかったのか。(これは賞味期限切れの食べ物をしょっちゅう食べている私の自己防衛法ですが)
 結局「売っている食品は絶対安全だ、そうであるべきだ」という認知のゆがみが、警戒心を鈍らせているのかもしれません。
by 山口(産婦人科) (2008-02-02 17:44) 

Med_Law

食品なら安全と引換えにコストが高くなります。
安全と引換えのコストを転換できない病院・医師はジレンマに陥ります。
ジレンマの解決法は、医療の放棄しかないようにすら思える日本です。

日本国民全体としても、中国産の安い食材で国民が潤っていたという現実を放棄し、国産の高コストで生活できるのだろうか?

報道の中で、最初の症例を保険所に届けてなかった疑いの病院が報道されていたが、これなど典型的な『安直な犯人探し』
石を投げる相手を探して、安直に加害者を見つけようとする
報道したのがNHKともなれば、報道被害の程度は甚だしい

和歌山カレー事件で治療した医師・病院が訴えられた事件さえ髣髴とさせられる。
救助にあたった医師に対する非難から始めては、誰も助けの手を出す気にならないこと位、どうして大の大人の集まりであるマスコミには理解できないのだろうか?

マスゴミだから????
by Med_Law (2008-02-02 19:47) 

沼地

う〜食料は安全であってほしいなあ。
JTが今回のことを予見出来なかったのは当たり前で悪く無いと思うけど。
なぜこんなことになったのかはしっかり調査して再発は防いでもらいたい。

そして医療は別もんだと思ってます。
病気を治すのは医者じゃ無い。
医者は治るのをお手伝いしてるだけ。
治らないものは治らない。

子供がいると食べ物の安全はかなり気になります。
そして全ての駅にホームドアが欲しい。

自動車事故で毎年、阪神大震災なみの人が死んでるのも何とかして欲しい。

う〜〜運命だって言われても子供だけは守りたい....
母親ってのはとことんエゴイストです。(笑
by 沼地 (2008-02-02 20:45) 

島医者ひとり

ちょうど同じようなことを思っていました。そんなことを考えてしまうのは自分だけかなと思っていましたが、先生も同様の思いを感じてらしてうれしく読ませていただきました。食品と医療は並列には論じられませんが、マスコミの論調が、JT叩きに移行してきたところで、「やっぱりこうなったな」と感じました。被害を防ぐための原因と予防が大切なんじゃないでしょうか。
何かあるとすぐにあら捜しをして誰かのせいにする、そういう社会の風潮が医療を崩壊させている気がします。
ところで、昨日の日テレの「太田総理 」http://pub.ne.jp/shimura/?entry_id=1184354医者として非常に胸が苦しい思いがしました。見るに耐えれない内容でしたが、時間があったら見てみてください。
by 島医者ひとり (2008-02-02 20:57) 

島医者ひとり

リンク先を間違えて志村建世さんのブログにしてしまいました。内容はとてもすばらしいものです。大変失礼しました。
「太田総理」の番組内容はこちらです。http://youtube.com/watch?v=jA5pZLLUYU8
by 島医者ひとり (2008-02-02 21:03) 

NR

保健所が、餃子の検査を断ったと批判されていますが、検査をしたとしても、農薬は当然調べないので、その後の進展には,何の影響はなかった思いますが。 それより、患者の症状からおかしいと思った小児科の先生の方が、貢献しています。今後の解決には,優秀な疫学専門家が必要と思っています。
by NR (2008-02-02 21:21) 

moto

今日のエントリーは認知行動療法がテーマではなかったのか、そうか。
読み違えていましたorz。

医学的・科学的にギョーザの事件のマスコミの取り上げ方について、コメントしてみます。

有機リン系農薬、まして国内で使われていないものを同定するには、GS/MS(もし原体=基準物質が手に入るならHPLCでも可ですが)が必要となると思われるので、保健所レベルでは無理です。自治体の衛生研究所なら持ってるところもあるかもしれないですが、異臭レベルで通常そこまで対応しないでしょう(コストが高いです)。
ですから、今回のようなケースの場合には、被害が生じて医療機関で薬物中毒疑いと診断されるまで、防ぐことはできなかったと思います。被害=犯罪性があれば、警察が動いて科学捜査研究所が調べます。ここは、コストは考えないし、研究員も設備も整っているはず。

今回、症状は重篤なようですから、有機リン中毒であろうことは、医者はかなりの確度ですぐに診断ついたはず。診断つけた医者がそんなに偉かったとは、あまり思えない(むしろ、ほかの患者で、軽症状で念のために採血保存しておきましたなんて先生が、あらわれたら、敬服しますが)。
このあと科捜研に資料がまわるわけですが、ここでの検査の一週間というのは、どうなのだろうか?
おそらく、この時点では、警察は中国(海外)での農薬汚染ではなく、だれかがこの家族を狙った国内犯罪と考えていたのではないでしょうか?輸入元(中国)での汚染を想定していたのなら、1~2日で結果を出すべきです。わたしは、ここにちょっと甘さを感じます。今回たまたま被害が少なかっただけですが、大惨事になっていた可能性充分です。

ということで、わたしは今回の事件において、マスコミが突っ込むべきは、保健所ではなくて警察だと思います。
輸入業者はどうだろうなあ?・・メーカーなら、自社製品に異臭あれば、日本食品衛生センターとかに外部委託してでも原因調べてほしいところですが、輸入業者は単に商社ですもんね、うーん。
by moto (2008-02-02 23:07) 

moto

しかし、有機リン中毒のからむ社会問題って、ときどき思い出したように出てきますね・・
オウムのサリン、シックハウス絡みの壁紙接着剤中の有機リン、シロアリ駆除剤のクロルピリホス。
かなり前になりますが、佐久地方の農薬散布による目の神経症状。そうそう、石川哲先生、宮田幹夫先生なんていう、個性的な社会派眼科医、いらっしゃったなあ。
ちょっと懐かしい・・むかし、ちょっとだけお付き合いがありました。
救急では、有機リン中毒、まだたまに診ることあるんでしょうか?
医者が見落とすとマズい地雷があるとしたら、上に書きましたように、軽症例じゃないかしらん、とも思いますが、過去の歴史において、「有機リン中毒の軽症例を見落とした」と非難された例って無いですよね?治っちゃうから問題にされないんだろうな。
社会防衛的見地からは、軽症例を見つけて大惨事の防衛につなげられたら、医者の大手柄だと思うんだけどな。
by moto (2008-02-02 23:53) 

おしっこのお医者さん@

同感ですな。
私は、和歌山毒物カレー事件を思い出しました。あんときは、被害者の一人の遺族が、緊急搬入された病院を訴えました。ヒ素中毒なんか見たことある医者がどれだけおんねんって感じでしたがな。
by おしっこのお医者さん@ (2008-02-03 10:46) 

くらいふたーん

認知行動療法はマスコミにこそ適用しなければいけなかったんですね。
認知の歪みとして考えるのはわかりやすいモデルですね。
参考になりました。
by くらいふたーん (2008-02-03 15:01) 

おしっこのお医者さん@

Med_Lowさまとカブってました。スマソ。
by おしっこのお医者さん@ (2008-02-03 18:10) 

moto

これは保健所や救急センターレベルで使えそう。「尿中有機リン系農薬検査キット」10回分で9500円。
http://www.kanto.co.jp/siyaku/pdf/kanibunseki_03.pdf

砒素中毒も、ジメルカプロール(バル)って排泄薬ありますから、早期診断確定重要ですよね。「メルコクァント砒素テスト」ってのどうでしょう?100回分で13000円。
http://www.azmax.co.jp/idx02_product/kensa/field_10/cp50merckoq.pdf
砒素は、今後中国含めた東南アジア絡みで、忘れた頃に事件起きそうな気がするな・・

中毒情報ネットワークってメーリングリストあるんですね。薬物中毒疑われるときに分析家を募ったり情報を共有しあってるみたいです。これは役に立ってそうです。こういう、稀少だが緊急を要する病態ってのは、メーリングリストが活躍しそうですね。
http://maple-www2.med.hiroshima-u.ac.jp/poison-1/pn/sy.html

蛇足ですが、しらべてて、こんなのひっかけました。「クラミジア・エイズなどから女性を守る。働く女性のためのプロラボSTD」
http://pro.std-lab.jp/shopping/
「ワンランク上のお店つくりのご提案」(笑)。いや、笑っちゃいけません。大切なことですね。
by moto (2008-02-03 18:12) 

ゆう

初めまして。
難しい事は分かりませんが何かの「事件」が起きた時のマスコミの対応。。。
さも自分たちは賢者か聖者かのように一斉に右向け右で叩き始める。
これには閉口してしまいます。
by ゆう (2008-02-03 23:41) 

nyamaju

今回の事は騒げるだけ騒ぐべきだと思いますよ。
外交カードに使えるから。
by nyamaju (2008-02-04 00:14) 

明鈴

はじめまして。
認知行動療法で言うところの、
認知の歪みと食品販売業界の安全である<べき>では、
比較にならないと思います。

だって、食品会社は安全を売りにしているんですから、
安全であるべきは当然ではありませんか?

品質に問題ないと、包装紙などにも書いてあるではありませんか?
マスコミの報道方法などには、問題があると思いますが。

以上、一意見として。
失礼しました。
by 明鈴 (2008-02-04 01:04) 

beechan

「べき」という2文字に表れる心のすさみ。う〜ん…その通りですね。
実に的を得た件で、前頭葉にしっかりと刻み込みました。自分がそのようなものの言い方をしないように。そしてそんな言い方をしてしまっていたら自分を戒めることができるように。

報道に関して。今の食中毒に関してだけではなく、
みーんなが同じことを同じ切り口で
集まって悪口大会しているようにしか見えなくて
うんざりする。

集まっている方々、賢いんでしょ?
ちょっとは、役に立つ話してほしいな。
文句や悪口(非難を通り越してる)なら、私も言える。
国会もマスコミもいじめるターゲット探しに必死。
報道は報道を、政治家は政治をして下さい。

食も職も
作る側も食べる側も責任持って気をつけて
って、当たり前のことすればいいだけのこと。
今回の被害者の方達が無責任というわけではないけれど。

食べること、生きること、
結局、我が身を守るのは自分だから。

シンプルに行こう!シンプルに。
by beechan (2008-02-04 02:07) 

moto

中国産ギョーザの販売者である生協(co-op)について調べてみました。
立派な検査センター持ってるようです。上記したGC/MSもあります。
http://www.jccu.coop/kensa/yaku/03.htm
センター全体での年間検査総数は14000件。毎年1000~1500の商品が新たに開発・リニューアルされてるそうです。
http://jccu.coop/goods/loyalty/member/200704/index.html
しかし、今回のギョーザに関しては、残留農薬検査は行われていなかったようですね。地雷を踏んだわけです。
たしかに救急で頑張っていて、地雷症例に当たったのに似てますね。

生協の歴史がまとめてありました。
http://tabetai.coop/item/index.html
最初は小規模の市民活動であったものが、事業規模が拡大し、時代の変化にも応じて、変容してきた流れがわかります。
消費者のニーズに答えて、「安くて、安全」という、両立させるのが困難な課題を追及してきました。この点も、今の保険診療に似てる。
結果、生協も医療も、「安くて、安全」である「べき」だ(はずだ)、という、期待感を広く与えてしまったわけです。そうすると、それが破られたときのパッシングも強い。
こんなに一生懸命善意でやってきたのに、なんで、ここまで言われなければならないんだ、ということになる。

善意っていうのは功績として評価されにくい。むしろ、善意を示したことによって期待させるから、期待が破られたときのパッシングを考えると、善意ってのは、本当に割に合わない。
「商売でやってるんだ。利益追求して当たり前。気に入らなきゃ買うな」っていう悪意で開き直ったほうが、パッシングは逆に受けにくい。消費者は必要なのだから結局は買う。

いちばん安全なのは、善意に基づいていても、悪意を装って、とまでは言い過ぎですが、少なくとも善意を悟られずに行動することなのかもしれません。
善意を相手に悟られることは、高くつくのかも・・
深遠な問題のような気がするので、結論とするのは保留。またそのうち機会があったら考えてみます。
by moto (2008-02-04 06:23) 

moto

続き)むかし、住環境に関連した健康被害(シックハウスとか化学物質過敏症とか)のNPOを主宰してたことがありました。
そのころ聞いた話なんですが、生協のお店の、仕入れのひと、ってのは、「良いものを、安く」徹底的に買い叩くんだそうです。だから、本当に良いもの(建材とか)作ってる生産者は相手にしたがらない。
良いものって、当たり前だけどコストがかかるんですよね。
10年くらい前の話です。そのころは生協の上のほうのひとというのは、共産党系のひとが多かった。押しが強く、商談だか団体交渉だかわけがわからん、って逃げ回ってる(大げさかも)生産者のひといました。生協のひとは、とにかく「良いものを安く」買いたい。それが消費者のためであり、絶対的な正義である。
結局海外、中国へと仕入に向かうを得なかったのでしょうか。共産主義的なほころび・自己矛盾が出てしまったのかも。
by moto (2008-02-04 08:41) 

moto

生協、名誉挽回しようと頑張ってますねー。
-----
 中国製ギョーザによる中毒で兵庫県警捜査1課は3日、同県高砂市の家族が中毒になったギョーザと同じ製造日の同種製品6袋のパッケージ外側から、有機リン系殺虫剤「メタミドホス」を検出したと発表した。うち1袋には表面に穴が開いていた。一方、日本生活協同組合連合会(生協)も2検体から農薬の残留基準以下の微量のメタミドホスを検出したことを明らかに。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080204-00000086-sph-soci
-----
もともと、こういう闘争系なこと好きな体質ですからねー、タフです。
それと、新聞マスコミ、昔から生協や市民団体とは仲良いですよね。取材源だし。だから、わるいこと書かれにくいですね。いいなー。
by moto (2008-02-04 10:34) 

元なんちゃって救急医

>moto先生

いつもたくさんのコメントをありがとうございます。ご指摘の「自分自身へ語る」はあたっているように思います。

>skyteam先生

マスコミの「近視眼」的やりかた

同感ですね。商業主義だからかもしれませんね。

>山口(産婦人科)先生

「べき」は他責と密接につながります。先生のご指摘ごもっともです。

>Med_Low先生

石を投げる相手を探して、安直に加害者を見つけようとする

まさに、マスコミのこの姿が現代日本社会の総「他責主義」の裏返しでしょうね。

>沼地 先生

おっしゃるとおり、医療と食品は別ものでしょう。なんとかしてほしいという気持ちは大事です。
同時に、なんともならないという気持ちも大事じゃないですかという問いかけが今回のエントリーの主旨です。その主旨を言うがために、引き合いに出されたのがたまたま食品であり、たまたま医療である
というように取っていただければ幸いです。

>島医者ひとり先生

ご同意いただけてうれしくおもいます。志村建世さんはすばらしいですね。

> NR 先生

そうですね。最初に診断した医師は、報道でほめられませんね。当たり前は当たり前でほめないのが世間の標準だからでしょうか?

>おしっこのお医者さん@先生

ご同意いただけてうれしく思います。

>くらいふたーん先生

先生に参考にしてただけてなりよりです。

>ゆう さま

するどい御指摘だと思います。報道姿勢は、ひとには責任をとれというけど、自分らはとらない
というのは、いつも私が医療報道で感じていることです。

>nyamajuさま

外交の線で、この事件はまたいろいろ考えることができそうですが、ブログ主には、その方面で論じる力がありません。

>明鈴 さま

明鈴さまのお考えは正論です。
今回のエントリー主旨は、食品とか医療とか業界に特化した具体論ではなく、自己を内省するための方法論の一つを紹介してみたものと解していただければ幸いです。

>beechan さま

コメントの最後の一文がすばらいです。 
by 元なんちゃって救急医 (2008-02-04 12:00) 

竹

>思わぬリスクに遭遇して、自分の命を失ってしまうかもしれない。大事な家族の命を失ってしまうかもしれない。それでも、いざとなればそのことを諦めることができるように、「自分の今」を「大事なもの」、「ありがたいもの」として生きておくことが大事だと思う。 自分の死や家族の死を、このような形で普段から自分の心の中にあらかじめ予見しておき、その相対として「今」を生きることともいえるのかもしれない。

仏教(浄土真宗かな)でいう「白骨の御文」ですね。
生きていくとは、その通りだと思います。
「べき」とか「絶対に」とかに縛られていると目の前の壁が分かりません。
何が起こるか分からないから人生なのであって、リスクだらけ。

阪神神戸の大地震で死にそうな目にあい、翌年、C肝と診断されて死ぬかと思ったけれど幸いにしてウィルスの駆除に成功。
病気が治ったと思ったら会社が合併。相手は最低の会社だった。
で、10年頑張ったが結局Uターンし、今は故郷でそれなりの暮らし。

マスコミの報道姿勢は最近とみに近視眼的。俯瞰というか全体が見えていないことが多い。彼らは何に縛られているんだろうか??「正義」か「木鐸」か?
ひとが生きていくという眼が欲しいものです。
by 竹 (2008-02-04 12:20) 

沼地

神よ、願わくば私に
変えることのできない物事を 受け入れる落ち着きと
変えることのできる物事を 変える勇気と
その違いを常に見分ける知恵を 授け給え

by カート・ヴォネガット
by 沼地 (2008-02-05 06:48) 

元なんちゃって救急医

>竹様

「白骨の御文」というのを教えていただきありがとうございます。
仏教の奥の深さに最近興味を持っています。

>沼地様
Serenity Prayer
God grant us the serenity to accept the things we cannot change,
courage to change the things we can,
and wisdom to know the difference.


アメリカの神学者ラインホルド・ニーバーによって書かれた平安の祈り (静穏の祈り)ですね。
カート・ヴォネガット・ジュニアの小説『スローターハウス5』にも引用されているとのこと。

教えていただきありがとうございました。

私は、アメリカインディアンの教えの中に出てくる言葉が好きです。
「幸福な人は、変わるものは変えようとします。変わらなかったものは静かに受け入れます。」
by 元なんちゃって救急医 (2008-02-06 20:59) 

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