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速報 妊婦死亡のニュースに関して一言 [医療記事]

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症例提示途中のエントリーではありますが、一言は言っておきたいニュースが出ましたので、新エントリーを挙げます。

まず、拒否というタイトルに一人の医療者として心が折れました。
TVの報道では、拒否という言葉は使われていなかったのですが、ネットニュースでは、タイトルに使われています。

一医療者として、NHKに対する不快感を表明しておきます。


「妊婦死亡 7医療機関が拒否

http://www3.nhk.or.jp/news/t10014878971000.html
(おそらく、すぐにリンク先は切れると思います。)
10月22日 6時42分


今月、東京で出産間近の36歳の女性が脳内出血を起こしましたが「対応できる医師がいない」といった理由で7つの医療機関から次々と受け入れを断られ、赤ちゃんを出産後に死亡していたことがわかりました。

東京都は詳しい経緯を調査しています。東京都や消防などによりますと、今月4日の夜出産を間近に控えた都内に住む36歳の女性が体調の不良を訴え江東区にあるかかりつけの産婦人科医院に救急車で運ばれました。女性は脳内出血の症状がみられたためかかりつけの医師が電話で緊急手術が可能な病院を探しましたが「当直の医師が別の出産に立ちあっている」とか「ベッドに空きがない」といった理由であわせて7つの医療機関から次々と受け入れを断られたということです。

およそ1時間後最初に受け入れを断られた墨田区内の都立病院に再度、要請した結果病院側は当直以外の医師を呼び出して対応しましたが女性は帝王切開で赤ちゃんを出産したあと脳内出血のため3日後に死亡しました。赤ちゃんの健康状態に問題はないということです。この都立病院は緊急の治療が必要な妊娠中の女性を受け入れる医療機関として東京都が指定しています。しかし医師不足を理由に本来は2人だった産科の当直の医師を1人にしていたため当直時間帯は原則として手術を断っており、最初の要請に対応できなかったということです。

東京都は女性が死亡したことを重く見て医療機関などから事情を聴いて詳しい経緯を調査しています。妊娠した女性の救急搬送の問題に詳しい昭和大学医学部の岡井崇教授は「今回の問題をきちんと検証し病院施設の多い東京でも産科医の不足や病院の受け入れ体制について対策を講じる必要がある」と話しています。

病気は、一人の人生のなかのリスクです。昨今、メディア報道は、リスクについてどのような見識を持って、これは報道する、これは報道しない という選別を行っているのでしょうか?

昨今のこんにゃくゼリーの騒ぎ方といい、昨日、振って湧いたように、小学6年生のパン窒息の事故を大々的に報道してみたり・・・・。

ただ、私は、とまどうばかりです。

さて、この初期報道から、世間がどのように動くのでしょうか? 静観してみたいと思います。

あらかじめ、皆様にお伝えしておきます。
私は、他者に対する配慮の乏しい言論は大嫌いです。ですので、私がそのように感じるコメントは、このコメント欄には公表いたしません。ご承知おきのほどよろしくお願いします。

15時5分追記
続々とマスコミ各社から報道が出ているようです。 拒否という単語を使った報道各社すべてに不快感の意を表明しておきます。


コメント(27)  トラックバック(1) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 27

コメントの受付は締め切りました
ポン助

今後もし今回の事が議論されていく中で、最後に受け入れた公立病院に対して、最初に要請があった時点で、なぜ当直以外のDrを呼び出してでも対応しなかったのかと いったような意見がでるのではないかと危惧してしまいます(善意で対応した病院への批判が平気でする感覚の人間がそこらに一杯いるような)

私も他人への配慮を欠いた発言は大嫌いです
でも私はマスコミや権利意識で固まっている人間には配慮をしたくありません
善意には善意 悪意には悪意(無視=診療しない)で返すという 至極わかりやすい人間でありたいと思います 

by ポン助 (2008-10-22 09:03) 

suzan

この患者さんが亡くなったのは、脳出血が原因だと思います。
妊娠中に脳出血を起こしてしまったのは大変にお気の毒ですが、少なくても医者のせいではありません。
受け入れを断った病院にはそれぞれに事情があるのです。
最終的に受け入れたところも、当番以外の医者を呼び出す、という非常事態対応で受けています。
「他で全部断られたのです」という事情を考慮して、翌日の診療にさしつかえることがわかっていてもあえて善意で受け入れたはずです。

誰か、この患者さんが「亡くなった責任」を取らなくてはならないような人がいるのでしょうか?
わたくしには、どうしてもそう思えないのですが。

医者なんだから夜中でも診察してあたりまえ、当番以外の医者も喜んで夜中に出てきて当たり前、それをしなかったから患者が死んだ。
…と世間のみなさまはお考えなのでしょうか?
その結果として医者は過労になろうが生活がめちゃめちゃになろうが、医者という仕事を選んだ以上は仕方ない、とお考えなのでしょうか?

だとしたら、医者になりたい人間など誰もいなくなってしまうでしょうね。
by suzan (2008-10-22 10:57) 

ひろ

>私も他人への配慮を欠いた発言は大嫌いです
でも私はマスコミや権利意識で固まっている人間には配慮をしたくありません
善意には善意 悪意には悪意(無視=診療しない)で返すという 至極わかりやすい人間でありたいと思います

そういうのが配慮がないっていうんじゃないんですか…そういう悪意のキャッチボールもうんざりなんですが。そういう表現もまた「拒否」と同じ位不快です

拒否という表現自体に不快感を感じられるのはごもっともなのですが、経緯を調査すること自体はやってしかるべきなんじゃないですか。
まだ誰も「医師の責任」なんていってないんですから。(私もそう思っていませんし、どこかのメディアが言い出したらそこを批判するのでしたらそれは分かります)

医師不足の現状を社会に知らしめるべきではない、とは誰も思ってないでしょう?
by ひろ (2008-10-22 13:18) 

ひろ

それでも指定医療機関か 7カ所診療断られ妊婦死亡
http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20081022032.html

追記ですがこのタイトルをつけた新聞社には私ですら憤りを禁じえません。
by ひろ (2008-10-22 13:42) 

こんた

墨東病院には元々7名の産科医がいたが、3人になり
正常出産の受け入れを中止
産科医の募集をかけているが、当然集まらず
夜間当直医も2人体制から1人になっていた

という状況のようですね


>医師不足を理由に本来は2人だった産科の当直の医師を1人にしていた
ここをNHKはつつきたいのかもしれませんが、
ここをつつくと、誰も残らないでしょう


スポニチ報道のタイトルは、タブロイド紙の面目躍如ですな

by こんた (2008-10-22 14:26) 

うなぎ

このブログの読んでいるからかもしれませんが、最近はこういう報道に触れると「医師不足の深刻さ」や「医療関係者の大変さ」を感じます。
こんにゃくゼリーや、パンを詰まらせ窒息死のニュースは、その対処法を伝えてくれるのでありがたいです。多くの人がいろいろな物を詰まらせ死んでいて、「こんにゃくゼリー」は決して高い頻度ではないと伝えてほしいけど。
by うなぎ (2008-10-22 14:29) 

元脳神経外科医

脳外科救急をやっていた頃、脳出血の患者さんをたくさん診ました。

後遺症なく社会復帰できる人もそれなりにいますが、それは出血が小さい場合であり、けして早く医療機関に搬入されたからではありません。

逆になくなられた方もたくさんいました。近所の方で発症後10分とかの搬入で1時間以内に手術をはじめることが出来ても救命できない場合もありました。家族が不在でいつ倒れたかわからない少なくとも半日経っているような重症例でも手術で救命できたこともありますが、残念ながら総じて植物状態とか完全に寝たきりで気管切開、胃瘻に頼らなければ生命の維持が出来ない状態となってしまいます。
脳出血は通常、何十分かかけて徐々に大きくなるものではなく、最初の短い時間でほとんど完成してしまいます。すぐに高度施設に受け入れてもらえるかどうかというような時間単位ではなく、現場に救急車が到着するかどうかというぐらいの時間単位すなわち十数分前後でです。
そしてそのような十数分で急激に症状が悪化するタイプのものは血腫も大きく予後も不良です。受け入れ先がすぐに決まらなかったことは気持ち的には口惜しいでしょうが、脳出血の場合、結果にはあまり寄与しない場合が多いことをご理解いただきたいと思います。1時間後に受け入れられても残念な結果であったということなら、最初の要請で受入れができていても結果は同じであったと推察いたします。

そのような状況の時、それでもかまわない生きてさえいてくれればとよくご家族から言われました。気持ちはよくわかるのですが、その状態が長く続くと介護するご家族は疲れ果ててしまうか、あるいは不本意ながらも介護を放棄せざるを得ない状態になってしまうのです。しかし、それまでそんなことを一切考えたことのない人に向かって、考えてくださいといってもすぐに理解できるものではないことも事実です。なんちゃって救急医先生がいつもおっしゃっているように、運命を受容するということ、社会としてそれを学び成熟していくことを切に望みます。

今回の事例は詳細がわかっていないので私のコメントが当てはまるかどうかはわかりません。一般的なこととして受け取っていただきたいと思います。

もちろん疾患によっては、5分10分を争うものがあるのも確かですので、なかなか受入れ先が決まらない医療体制は改善しなければいけません。そのためには医療者も、非医療者も、政治家も、役人も、マスコミもお互いが協力し合っていかなければならないのではないでしょうか。現実は医療者も含めお互いに責任を押し付けあっているだけだと感じているのは私だけでしょうか。それぞれのものがそれぞれの立場でよいので同じ方向に向かいあえる日が来るのを期待いたします。

長文失礼いたしました。
by 元脳神経外科医 (2008-10-22 15:12) 

rirufa

すごく不安です。
交通事故に巻き込まれて、昔なら助かったはずなのに、病院が見つからなくて、そのまま・・・なんて日がいつか来るんでしょうか。

>それぞれのものがそれぞれの立場でよいので同じ方向に向かいあえる日が来るのを期待いたします。
そうなることを自分も期待したいのですが・・・みな自己中であることを考えると・・・実現は遠いような気がします。

#ふと思ったのですが、小さな病院はどうして17時ぐらいでしまるんでしょうか?19時まであいていれば、2次救急の負担もだいぶ減ると思うのですが・・・
by rirufa (2008-10-22 17:06) 

元脳神経外科専門医

上の元脳神経外科医と同一人物です。
久々の投稿でHN間違えてしまいました。
みなさんにはそんなことどっちでもいいのでしょうが・・・。


rirufa様
>#ふと思ったのですが、小さな病院はどうして17時ぐらいでしまるんでしょうか?19時まであいていれば、2次救急の負担もだいぶ減ると思うのですが・・・

以前、その小さな病院(脳神経外科専門)をやっていました。外来は一応18時まででしたが、実のところ脳外科専門病院ということで24時間急患を引き受けていました。
どのくらいの人数の脳外科医でやっていたと思いますか?常勤2人です。後は非常勤が1人から2人。私ともう1人の常勤が週二日ずつ交替で当直し、残りは非常勤の当直が週1日から2日、残りは他科の医師の当直なのでなにかあれば私がオンコールで呼ばれていました。もちろん当直明けは通常外来および病棟の勤務です。もちろん手術となれば当直も何も関係なく常勤2人とも出動しなければなりません。3日続けて時間外で手術をしたこともありますが、常勤医2人とも3日ほぼ徹夜状態でした。他科の医師もいますが、他科の医師にお願いしても患者さんがなぜ脳外科医が診てくれないとを診てくれないのかと言われますので、けっしてモンスター何とかというような無理を言う患者さんではないのでわかってはくれているのですが、それでもそういわれるとやはり無理をしてみていました。今考えればこんな状態でよく事故が起らなかったものです。鉄人自慢をしているわけではありません。医師としての義務感今でもそんな状態で仕事をしている医師がまだまだいると思いますがこれが正常な状態でしょうか。看護師にしても基準として必要な倍近い人員を確保しないとそのような状況に対処できませんでした。ただ、小病院では平均在院日数などの関係でどんなに看護師を確保してもそれに見合った点数(収入)が得られず、経営が非常に苦しいのです。
このような状況で20年近く小病院で脳外科救急をやってきましたが、精神的にも経済的にもまた昨今の医師不足からたった2人の脳外科医の確保も出来なくなり数年前にその小病院を閉院しました。

今の医療費で、医師、看護師不足の中では、従業員の労働基準を守るためには17時でとりあえず閉めるしかないのです。でも、最近はそれですら医療が維持できなくなっていることに社会は気づいていないのではないでしょうか。

ブログ主様もしこのコメントはあまりにも個人的なことですので今回のスレッドにふさわしくなければ掲載していただかなくて結構ですし、部分的に削っていただいても結構です。
by 元脳神経外科専門医 (2008-10-22 18:09) 

ミヤテツ

rirufaさんへ
>#ふと思ったのですが、小さな病院はどうして17時ぐらいでしまるんでしょうか?19時まであいていれば、2次救急の負担もだいぶ減ると思うのですが・・・
翌日の仕事に差しさわりが起こることを考えていただけませんか。閉めてから後でも、片付け、翌日の準備など、必要な仕事があることを考えていただけませんか。
そういうことを非難する人たちがあり、救急体制が生まれ、今、その出来た救急体制を無駄遣いして、医療者をすりつぶしている状況です。
国が、国民の健康・医療に責任を持つ気がないためです。
昔なら、診ることができたことでも、今の医療情勢で、診ることが出来ないのに、受け入れたから悪い結果になったと訴え、診た医療者をとっちめるような裁判結果が十分すぎるぐらい出ていますので、もう医療者が対応できないと感じるのはわかっていただけると思うのですが。
 なんちゃって救急医先生の判断でコメント欄へ掲載にしてください。書いているうちに、非医療者と思われるrirufaさんへの返信にしてはきつい表現になったと思いますので。

by ミヤテツ (2008-10-22 18:19) 

檸檬

うなぎさんと同じで、最近こういうニュースに接すると直ぐに、『医師不足』というキーワードが浮かびます。そして、今後の報道の論調が気になります。

「最初に断らずに受け入れていれば助かったかも」的になるのか、「だから医師不足、医療崩壊を真剣に考えなくては」となるのか。

後者であれば、こういう報道自体が、私たち非医療者へ「今後は、脳内出血を起こしたら助からないと覚悟した方がいいよ」との『警鐘』として意味があるように思いますが、前者だったら最悪ですね。

墨東病院の先生方、よくぞ、赤ちゃんだけでも助けてくださいました。
同じ女性として感謝します。きっと、亡くなったお母さんも、そう思っておられると信じています。
by 檸檬 (2008-10-22 18:39) 

yama

問題は二次救急及び三次救急です。
一次救急がいくら沢山対応できてもだめです。残念ながら小さな病院が開いていても何の足しにもなりません。むしろ救急車が来るまで病院のスタッフも何もしないでずっといなければなりませんから負担は増えると思います。
二次以上はそれなりのスタッフが必要です。残念ながらこればかりは現状では解決できそうにもありません。医療費削減のツケが今、日本国民を直撃しています(しかし非難の矛先はなぜ政治家ではなく、医療者なのでしょう?)。
by yama (2008-10-22 18:41) 

なんちゃって救急医

おりしも、私は今、産婦人科にて研修中です。今日も一件、予定ではありますが、帝王切開があり、手術室に入っていました。なので、私の思う、帝王切開に必要な人員をここに書いてみようと思います。(諸先生方、重大な事実誤認がありましたらご指摘いただけますと幸いです。)産科医 最低2名小児科医 最低1名麻酔科医 最低1名(ことに緊急帝王切開を受ける施設ならば。)助産師 最低1名直接介助看護士 1名間接介助看護士 1名今回のケースの場合は、ここにくわえて脳神経外科医が一名必要でしょうね。これだけの人間が用意できて、やっとこの妊婦さん「ただ」一人に対応できるのです。しかも、これが1年に一回用意できればいいのではありません。365日用意できて初めて、産科救急が成立するのです。 今研修している病院には、XX人の産婦人科常勤医、YY人の小児科医がいます。「志の高い病院だからそれだけの素晴らしい先生たちがそろうんだな。それに引き換え、都内の病院の医者の体たらくはどうだ」などといった、的外れな比較のためにこの数字を出したのではありません。 これだけの人数がいるから、はじめてシステムが何とか稼働し、医師全員の士気が上がって志を高く保つことができるのです。 今回何より驚いたのは、最初に要請を受けた都立墨東病院(ある新聞紙で名前が出てしまっており、ここで伏せるのは無効であろうと考えたので、あえて名前を出しました。)が、産科常勤医3名という状況の中、当直医1名を用意して当直をまわし、かつ今回のケースにも最終的に対応したという点です。とんでもない激務ではないでしょうか。 私自身も、今回の件で実際に何が起こっていたのか、本当のことを知りたいと思います。また、この報道に対しどういうリアクションが起こるのか(断言は避けつつ、非常に恣意的な報道をしているとは思うのですが。)それも確かめてみたいと考えています。

■□■

以上、ビビリの研修医先生からのコメントです。

一部具体的なところは、病院名特定の恐れもあり、ブログ主判断で伏字にさせていただきました。申し訳ございません。

by なんちゃって救急医 (2008-10-22 20:03) 

rirufa

>元脳神経外科専門医
>今の医療費で、医師、看護師不足の中では、従業員の労働基準を守るためには17時でとりあえず閉めるしかないのです。
それなら、補助金を出してでも、2交代制にするように促せばいいと思ったのですが…
1次も不足してるとなると、20時ぐらいまであけることもままならないんですね。
救急車の無駄遣いをしないように呼びかけるだけしか手がないとは…

>ミヤテツ
そういった事情を考慮せず、発言してしまいました。
申し訳ないです。

>yama
>一次救急がいくら沢山対応できてもだめです。
軽症者が押し寄せずに済めば、楽になると思ったのですが、今は意外とがらがらなのでしょうか?

by rirufa (2008-10-22 21:43) 

石部金吉

今、たまたまラジオを聴いていたら、ラジオ大阪でこのニュース解説をしていました。

記憶に従って再現します。

「亡くなった女性はお気の毒ですが、お医者さんも被害者なんです」
「事は命の問題なので、経済なんかよりもずっと大切なんですよ」

どの先生か、頑張ってラジオに出演してくれているのか、と思っていると、

「誰が悪いかといったら、我々マスコミも加害者なんです」

あれれ・・・

「つい感情に任せて記事を飛ばしてしまったり」
「被害者に流れてしまうでしょ」
「医療のことに関して、報道合戦なんかやったら駄目なんです」

おおーっ!! その通り!

して、そのような立派な発言をしていた人を後で調べてみると、
産経新聞大阪本社文化部長の荻原靖史氏でした。

わからんもんですなあ

by 石部金吉 (2008-10-22 21:56) 

seto

TVの毎日放送においては23時のニュースにて拒否よりも更に劣悪な”たらい回し”という言葉をテロップで強調して使用しておりました。これに比べるとNHKが使われた言葉は微量ではありますがまだ配慮の努力が見えなくもないという印象を受けていました。
前回の報道の時から全く学ぼうとしないその頑迷さからはもはや日本の医療体制に対しての悪意しか感じられず、とても悲しい気持ちにさせられました。
by seto (2008-10-23 00:23) 

吉沢 友希

私の実家のぁる地方では、未だに産婦人科&婦人科を受けるのに差別がぁる場所があります。
それは診療順位。既婚者妊婦→未婚者妊婦→既婚者婦人科診療→未婚者婦人科診療の順です。
未婚者婦人科診療待ちの人はどんどん後回しにされ、朝一番に行ってもだぃたぃ6時間待たされます。 先生が足らないから患者を順位付けして看てるのか‥
友人がまだ籍を入れる前の状態で10代で妊婦となって、異常があって受付で訴えたのに‥初診の扱ぃは未婚者婦人科診療待ち。6時間待たされた後即入院。 両方とも無事でしたが‥病院を攻めるょり国がもっとバックアップしなきゃ!だと思います。 産科も婦人科も保険きかなぃし、病院行かなくなる→妊娠定期検診の費用がもったぃないからって検診行く人も減ってきて→子供産む人も減ってきて→先生が減る→緊急時対応出来ない→なのに緊急対応しなきゃいけなぃ駆け込み出産者が増えてきたり‥
元を正すと病院は悪くなぃ 国の対応が遅すぎた結果だと私は思います。
by 吉沢 友希 (2008-10-23 02:41) 

フィッシュ

墨東病院まで、産科当直が一人で、受け入れを制限しているという状況は本当にショックです。ここ2~3ヶ月で、私の勤務するクリニックからも母体搬送が続いたのですか、幸運なことに受け入れ先が1時間以内で決まりました。もう、奇跡です。
もう「拒否した」とか「たらいまわし」という話題の次元ではないこと、先日の
「トリアージ」の時のように、現場で働く人への思いに欠けた表現ですね。

ところで、今回、嘔吐と下痢という消化器症状から始まっていましたが、以前「腸炎という触れ込み?」で、先生が「下痢と脳出血は関係があるのではないか」ということを書かれていらっしゃいましたね。
このような症状を経験された先生方は多いのでしょうか?

by フィッシュ (2008-10-23 14:05) 

なんちゃって救急医

フィッシュ様のご指摘に対して、当ブログの関連エントリー提示しておきます。

腸炎?という触れ込み
http://case-report-by-erp.blog.so-net.ne.jp/20080331

入院!と強く希望する家族
http://case-report-by-erp.blog.so-net.ne.jp/20070329

地雷から医師を助けた看護師の一言
http://case-report-by-erp.blog.so-net.ne.jp/20070317
by なんちゃって救急医 (2008-10-23 14:17) 

ビビりの研修医

>なんちゃって救急医先生
訂正の手間をおかけして申し訳ありませんでした。やっぱり特定される危険がありましたよね。以後気をつけます。

今日帰宅してから、ネットでニュースを見てますと、続報が出ていました。
当日当直していた一人の産科医は、(後期)研修医であり、しかも、墨東病院はすでに、研修医当直の日はハイリスク分娩の搬送を断ると通知も行っていたそうです。こんな状況にもかかわらず、最終的には対応した墨東病院ははっきり言ってもっと評価されるべきではないでしょうか。

これでもし、「絶滅危惧種」と言われる20代の産科医がやめてしまうようなことがあるとしたら、産科の救急は本当に崩壊してしまうでしょうね。私は独身ですが、将来結婚して子供が生まれるような時に、この状況がどうなっているのか、医師としても、一人の男性としても本当に心配です。

ちなみに、今回のケース、うちに来たらどうします?と産科の先生方に聞いてみたところ、全員が口をそろえて「無理です。」の一言でした。脳外科がありませんからね。

>石部金吉先生
以前、激励も込めたコメントをいただいておりましたが、お礼が遅れました。本当にありがとうございました。この場を借りて、お礼を言わせていただきます。
by ビビりの研修医 (2008-10-23 18:06) 

ちゃんこ

rirufaさん
一次救急はトリアージで言うと緑タグです。長時間放っておいても大丈夫な場合がほとんどなので、待たせれば良いだけの話しです。
それよりも二次救急以上をどうにかしないとダメです。残念ながら医師が絶対的に足りないので急に増やせと言われても無理な相談なのですが・・・。そもそも救急は人手が無いと成り立たないので。

あと、老婆心ながら、相手に返信する際は「さん」とか「さま」とか敬称を付けた方が良いですヨ。
by ちゃんこ (2008-10-23 18:31) 

医療ソーシャルワーカー

墨東病院の研修医の先生は、産科を離れちゃうんでしょうね。
by 医療ソーシャルワーカー (2008-10-23 21:36) 

rirufa

>ちゃんこさまへ
うむむ~。
一人当直とかに軽症者が押し寄せてくると、重傷者の合間取るべき休みがなくなり、訴訟に合いやすいなどの事情もあいまって、逃げ出す人が増えそうな予感がしたのですが・・・
もう少し人数がいれば、それほど大きな問題にはならないのですね。
誤解してました。
by rirufa (2008-10-23 22:16) 

非イチ医療関係者

いいかげん「受け入れ不能」といってほしいですね・・・。この綱渡りの状態で赤ちゃんが助かったことはもっと評価されるべきなのに、100点満点の結果じゃないと「それでも医者か!」と叩かれ吊るされる。助けたくても手一杯で助けられなかった先生達の気持ちを思うと暗澹たる気持ちになります。
せめて自分の周りの人達には新聞を鵜呑みにしてほしくなくて、説明して回っています。我々一般人が医師不足の現状をきちんと理解してなければ、たとえいくらお金を積んでも医師は寄ってこないんじゃないかと思ってます。

長くなりそうなので自分のブログのURLを貼ります。http://d.hatena.ne.jp/SIRO0112/20081023/1224777248

by 非イチ医療関係者 (2008-10-24 10:17) 

annan

新聞やテレビの言葉・用語の乱れは、
私も常々、あれあれと思うことがすくなくありません。
「拒否」はきつそうな言葉ですが「承諾」の対ですので、
それほど気にされることはないと思います。
マスコミの問題は表面的報道にもあると思います。
最近は検証の上での記事・報道か疑わしいものが多く、マスコミの報道姿勢に疑問を感じています。
by annan (2008-10-25 19:52) 

整形外科部長

今回の妊婦受け入れを断った病院は都内なら名だたる病院ばかりです。
私もそのうちの一つで働いておりました。
紹介もとの病院からすれば、脳外や内科(裏情報では髄膜炎などの感染症の疑いが主の紹介だったとの話です。)も揃った病院で、かつ週末となれば、大学や日赤レベルの各科当直がいるところへ依頼するのは当然の成り行きでしょう。

7つの病院全てが色々な理由で断っていますが、都内で病院が多いからこそ、「どこか別の病院が診てくれる」という軽い気持ちが無かったのかが不安です。
「感染症を疑い個室が無かった」とか
「NICU満床で受けられない(NICUはどこもいつも満床。今回の例では結果不要。)」とか「電話で切迫感が無かった」とか、
「別の分娩中(通常分娩は殆ど助産婦が行い、医者は最後の5~10分に現れるだけ)」とか・・・・
断るにしては「何とか受けてあげたいけど、到底受け入れられません」という感じがしません。

産科医が不足しているのは、皆知っていて、引き上げた先は大学なのですから、そこは何とか受けてあげて欲しかった、と思います。

複数科にまたがる急患は、大病院になればなるほど医者同士が顔見知りで無いので、とっさに連携しにくいとう面もあり、こんな大騒ぎになる例と思わず軽い気持ちで断った病院(当直医)がないか心配です。

今回の母体の予後は変わらなかったと思います。
1時間20分で決まったのも、患者が病院にいることを考えればそれほど長い時間でもないでしょう。
しかし、病院からの2次・3次レベルの紹介を、伝えられている程度の理由で断ったとすれば、やはり問題だと思います。
患者に1次~3次の救急概念を分かって欲しいなら、医者同士の意識の連携が破綻していないことが前提になると思うのは間違いでしょうか。

by 整形外科部長 (2008-10-28 06:59) 

なんちゃって救急医

>医者同士の意識の連携が破綻

私もこれで痛い目にあったことがあります。悲しい思いもしたことがあります。自分が涙したこともあります。

一般論としてですが、
医師の連携(できれば顔の見える関係)は、紹介の際に重要であると考えます。

今回の事例には関しては、メディア情報以外のことを私は知らない以上、連携問題に関してなんともいえません。

by なんちゃって救急医 (2008-10-29 06:56) 

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