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医師新組織に期待 [雑感]

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当ブログでは、地雷疾患にまつわる話題を取り上げ続けている。医師が言うところの地雷疾患とは、いかなるものか? それについては、このエントリーをご参考いただきたい⇒地雷番付表

地雷疾患に当たるということは、患者側にとっては命を失うことに匹敵するし、医師側にとっても、あらゆる意味でダメージが大きい。地雷疾患発生そのものは、患者側に課せられた運命的なものである。だから、たとえそれがどんなに過酷な結果であろうとも、本来、医師側に何の責任もない。とはいうものの、それでも、医師は、患者を助けるべく日々努力をしている。ある意味当たり前だ。

ところが、昨今の事情から私が感じることは、医師側は本来無責のものであるという前提がどこかに追いやられてしまっていないかということである。

私が、地雷疾患に敏感になっているのも、そういう昨今の事情をひしひしと感じるからかもしれない。

医師が地雷疾患に敏感になって診療することで、確かに一部の人は、それで命が助かるであろう。しかし、どんなにがんばっても助からない命もあることは、未来永劫変わりない真実であろう。

医師のほとんどは、ただ目の前の患者に対して、なんとか力になりたい、良き援助者でありたいと思っていると私は信じたい。患者の命を助けるだけが医療の全てではない。死んでいく運命にある患者にどう専門家として援助していくかも重要な医療と私は考えている。

いずれにせよ、医療者が、目の前の患者の援助者でありたいという思うモチベーションを抱き続けることができる社会を、私は切望する。

そのために、なんとかしたいと私が考えている医療問題を、地雷疾患とからめつつ、
まとめてみたのが下図である。

(黄色の円)
地雷疾患を早期発見するには、相当な知力と判断力が必要である。そして、専門治療を受けるためには、専門医の労働環境整備も合わせて必要だ。つまり、早期発見にしろ、専門治療にしろ、医療者が力を発揮できる労働環境の整備が必要である。

(緑の円)
地雷疾患がときに回避不可能なものであるということを患者側にわかってもらうためには、医師-患者間の信頼関係が必須である。マスメディアによる商業報道は、往々にしてその阻害因子となりやすい。医師側からマスメディアに対する的確な医療情報を提供しつつ、メディアに協力を求める必要はあるであろう。同時に、マスコミ情報の受け手である一般の方々には、メディアリテラシ-という考え方を普及させていく必要があるであろう。大淀病院の初期報道のあり方は、断固改善されるべきだと考える。

(青の円)
医師-患者関係が良好であったとしても、やはり医事紛争は亡くならないであろう。利害の対立があれば、紛争は必発であるのが世の常だからだ。ただ、医事紛争によって、医師個人個人が、とほうもないダメージを受けるような社会であれば、医療資源保持の観点からは大きな喪失である。地雷疾患の診断プロセスにおいて、医療確率論の問題(=不確実性の問題)を伴うことが多い。ところが、裁判の現場においては、後知恵バイアスに基づいたとんでもない判断(=医療確率論的には破綻した論理としかいえない判断)が下されることもある。だからこそ、適切な医療判断を提供するという意味において、医事紛争支援は重要な課題と考える。

私には、自分をとりまく医療問題が、このように見えています。

医師新組織が、新たな力となってくれればと、私は期待しています。 1月13日、参加します。

会の名称  1.13全国医師連盟 設立準備委員会 総決起集会
日時       開始 2008 年 01 月 13 日 13 時 00 分
          終了 2008 年 01 月 13 日 17 時 30 分
場所       東京ビックサイト、会議棟7階
東京ビックサイト(東京国際展示場)
http://www.bigsight.jp/general/access/index.html
会議棟703号室
http://www.bigsight.jp/organizer/guide/guide_meeting.html
参加資格 準備委員会会員および新組織設立に賛同される方
          (参加事前登録が必要です。)先着150名

集会内容  1小松秀樹先生による医師への激励挨拶(約20分)
         2本田宏先生による激励講演(約100分)
        3主催者による報告と行動提起

会費        医師 2000円、その他 1000円
主催        全国医師連盟 設立準備委員会
*参加事前登録  非会員の場合は、氏名、住所、職業、所属、年齢、
  連絡先(アドレス)を記入の上、【1.13集会参加希望】 と明記して
  zai@doctor2007.com まで御連絡ください。


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コメント 2

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肉球

主婦です。素人の私でもこのブログは面白いのでよく読みます。
去年手術したので少し医療関係の事に興味を持ちましたが、それ以前の私はまったく医療関係のことの興味がありませんでした。そのころ起こった事件に横浜の病院で患者取り違え、慈恵医大青戸病院での腹腔鏡手術の失敗がありました。そのときの感想は「自分の身は自分で守らなきゃ」
「医者といえども信用できん」というものでした。もし去年やさしい先生方に出会わなかったら今もこの考えのままだったと思います。あの事件の前までは無条件に医療関係者を信じていました。「お医者様」という感じです。今のようなマスコミの報道になったきっかけはあの2つの事件だと感じてます。
by 肉球 (2007-12-12 14:26) 

元なんちゃって救急医

>肉球様

コメントありがとうございます。

>このようなマスコミの報道になったきっかけはあの2つの事件だと感じてます。

同意です。彼らは、悪を正すという偏った正義感で、ときに無責任なペンを振り回すという印象を私は持っています。確かに、一部は、閉鎖的な医者社会にメスを入れた面はあるでしょう。しかし、今となっては、実害のほうがはるかに上回っていると思います。 ちなみに、横浜の取り違えは、システム論で考えるべき問題です。青戸病院は、輸血システムの問題が大きいことを小松先生が指摘したにも関わらず、マスコミはそんなことは知らん振りをして医師たたきを続けた経過があったことも付け加えておきます。

>「自分の身は自分で守らなきゃ」
すばらしいお考えだと思います。患者上手な方は、だいたいこのことをよくわかっておられるようです。

>やさしい先生方に出会わなかったら今もこの考えのままだったと
つまり、今は、医師を信頼してくれてるということですね。安心しました。
人生って出会いが大きいですね。お互い出会いを大切にし、ネット情報やメディア情報は、利用こそすれ、振り回されたくはないですね。
by 元なんちゃって救急医 (2007-12-12 17:08) 

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