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いけてる身体診察 [救急医療]

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時間外診療の場では、種々の診療上の制限がある。MRIが使えない、血液の検査項目が限られている、各領域の専門医にすぐにアクセスできないなどなど・・・・・。 そんな診療の場でも、いつでも使える道具といえば、自分の五感をベースにして情報集を行う、病歴聴取と身体診察だ。これを深めるのは、一筋縄ではない。やはり、この領域にも名人芸的なものもある。つまりアートだ。時間的に緊急性のある病態のときは、そんなアートも出る幕がないかもしれない。しかし、夜間、落ち着いているときなどに、徒歩来院の患者と対するときなんかは、そんな職人芸を鍛える良い機会になると、若い先生方が考えてくれれば、時間外診療は、その若手医師にとってはよき学びの場となるであろう。一方、医師側がそういう思いで、患者と接すれば、おそらく、非言語的な部分で、その思いが患者にも伝わり、真心のこもった診療と受け取ってもらえる可能性も高い。双方のメリットだ。

このような時間外診療の環境を、できるだけ多く作っていきたいとは個人的には思う。そのためには、医師の労働環境のあり方の改善が急務だ

少なくとも、明日、夜が明けたら、検査だ、手術だ、外来だ、などと予定が詰まっている職場環境では、医師側に、夜間の診療に、心の余裕なんか生じるはずもない


まあ、それはともかく、本日は身体診察にフォーカスをあて、こんな症例を提示してみます。

症例 26歳 男性  不眠、左下腿の痛み

元来健康。現在大学院生。24歳のころ、バイクの単独事故の既往あり。脳挫傷、肺挫傷、左脾骨骨折(単純)などで、約2ヶ月の入院歴あり。退院後は、特に日常生活に支障のあるような大きな後遺症はなかったが、時々、頭痛や、頚部痛や、両上肢の痛みに悩まされるようになった。その後、いくつかの病院を転々とし、外傷性頚部症候群との診断で、症状固定の診断も下されている。脳挫傷の既往があるため、脳外科専門医により、低髄液圧性の頭痛が疑われ、精査したが、完全に否定されている。頚椎、頚髄については、MRIの画像的には、器質的な異常を指摘されていない。こういう背景をもった患者が、当院には、半年前より、たびたび時間外外来を受診するようになった。 おもな理由は、頭痛、不眠などである。当院では、対症療法のみがされている。一度、夜間当直医の態度に腹を立てて、トラブルになったこともある。 今年の9月ごろ、飲み会の帰りに階段で転倒したことを契機に、左の下腿外側のしびれと痛みが出現するようになった。自分の大学の大学病院整形外科を受診したところ、レントゲンや教授診察の結果、当科での治療適応ではないといわれたらしい(あくまで本人談)。さらに、他院整形外科で、腰部MRIも施行されたが、それでも異常を認めなった。10月に入り、たびたび左下腿の痛みとしびれが出現するようなり、下宿で寝込むことも多くなってきたという。大学院の研究にも支障がでてきているという。そんな患者が、また、不眠と左下腿の痛みを訴えて、夜間の時間外来を受診した。

幸いその日その時は、落ち着いた夜だった。さらに、こういう長い病歴を抱えた患者を相手にするのが、比較的好きだったY医師が、たまたま、今日の当直だった。この患者にとっては、ラッキーなめぐり合わせが重なった。ちなみに、Y医師とこの患者とは、初めての出会いである。

Y医師は、ゆっくりと患者の話を聞いた。そして、痛みのために日常生活がここ最近、かなり悪化している様子や気分の落ち込みを感じ取った。

そして、身体診察を始めた。 もちろん、バイタルなどには異常がない。 診察の冒頭で取っておいたスクリーニング的な血液の検査にも、WBC,ESR,CRPをはじめ全く異常がない。 ラゼーグ徴候の陰性も確認した。 

かれは、長い病歴と諸検査に異常がないという事実から、ひらめいた。

それを踏まえて、ある身体診察をした。すると、患者は・・・
「痛えええええ!!」

Y医師は、患者が痛がるのを、ふむふむと納得しながら、さらに身体診察を続けた。
「痛えええええ!!」の声が、たびたび診察に響き渡った。

診察終了後、Y医師は、自分の見立てを患者に丁寧に説明した。そして、紹介状を作成し、患者に持たせて、患者を帰宅させた。 この日の診療に、この患者は、「ありがとうございました」と丁寧に頭を下げて感謝していた。

夜間であるのに、こんな丁寧な診療をしてもらえたこの患者はとてもラッキーだった。
Y医師の見立てとは、いったいどんなものだったのだろう。

(続きは、後日)

(11月25日 追記)
皆様、コメントありがとうございます。 最初にpanda様からご指摘いただき、続いて多くのコメンテーターの方々の支持を得ましたように、この症例は、線維筋痛症(Fibromyalgia syndrome:FMS)を想定して診察が進められていきます。私も今回、皆様方からのコメントで教えていただきましたのが、FMSと脊椎関節炎とがオーバーラップすることがあるこということです。大変勉強になりました。ありがとうございました。 FMSは、まだまだ病態がわかりきっておらず、また、仮に診断をつけても、どの科が主役で動けばいいのか、、判然としないものがあります。臓器別に細分化した現代医療の狭間に落ちやすい患者だと思います。ただ、それでも、長く疼痛で苦しむ患者は、身体的問題のみならず、生活に必要な様々なその人にとってのシステムが破綻していきます。医師-患者関係、仕事、家族関係、経済面などなど・・・・。FMSは、こんな難しい疾患なのに、長い病歴と理学所見のみで診断にもっていけるところが不思議な気がします。もちろん、長い病歴の中で、各種の検査はすでに行われており、それらに異常が指摘されていないということが大前提ではありますが・・・・。

それでは、症例の続きです。

Y医師は、向き合っている患者の右肘をつかみ、外側上顆の部分を強く圧迫してみた。
すると、患者は、「痛えええええ・・・・・!」 

「ああ、ずいぶんとお痛みがでますねえ、では、こちらは?」 とY医師。さらに今度は、左肘も。
やっぱり患者は、「痛えええええ・・・・・!」

こんな感じで、Y医師は、下図のごとく示したFMS診断に必要な18の圧痛点を調べ続けた。
そのたびごとに、響く患者の声 「痛えええええ・・・・・!」 

(※この図は、下記に示した参照サイトから図を引用し、ブログ主が一部追記したものです。)

患者は、18の圧痛店のうち、16箇所で痛みを訴えた。11以上であるから、この患者はFMSの診断基準を満たしている。さらに、頭痛、しびれ、不眠などの随伴症状もFMSに合致する。

ひととおりの診察を終えた後、Y医師は、患者に告げた。

Y医師 「この痛みは、ずいぶんとつらかったでしょうね」
患者 「ええ、どのお医者さんにも信じてもらえない、
    わかってもらえないつらさをずっと感じていました」

Y医師 「線維筋痛症ってお聞きになられたことありますか?」
患者 「いえ、初めて聞きました。 
    どこの病院でも、異常はないとしか言われませんでした。」

Y医師 「そうでしょうね・・・・・」 

それから、Y医師は、患者に線維筋痛症という疾患についての簡単な説明をした。そして、次のような段取りを患者に提案した。

   「これは、検査で異常がないことや長く痛みが続いているという病歴が診断には必要なのです」
   「私は、たまたまそういうあなたの時期に、診察にめぐり合っただけかもしれませんね。」
   「ただ、今は時間外ですし、私は専門家ではありません。
   本日は、線維筋痛症疑いの慢性疼痛として、大学病院へ紹介状を書いておきます。」
   「明朝になったら、そちらへ電話して、診察の予約を取って、受診してください。」

Y医師は、紹介先を、膠原病の専門にするか? 整形外科の専門にするか? 心療内科にするか? 少し悩んだ。結果、患者の持つ抑うつ感の強さや医師との関係性の構築の難しさを考慮して、まずは、心療内科で慢性疼痛としての対応をお願いすることにした。 このあたりの医師としての判断はなかなか難しい。

患者は、時間外で、医師から「わからない」とか「ストレス」とか「心因性」とか言われなかったが、今回初めて、自分のつらさと真正面から向き合ってくれた医師と出会えたと感じた。 その気持ちが、きっと最後のお礼という形で表出したのだろうと思われる。

後日、紹介先の心療内科より返事が届いた。患者は、入院の上、疼痛コントロールを心身両面から行う予定であるとのことであった。

こうして、方向性が全く見えずに医療機関を渡り歩き苦しんでいたいた一人の患者に、18個の圧痛点を調べるというY医師のごく簡単な身体診察一つで、初めて光が見え始めたようだ。これで患者の人生が良い方向に変わるかもしれない。

そう考えると、Y医師の身体診察は、なんともいけてる身体診察だなあと私はしみじみと思う。

参考:線維筋痛症についてのサイト http://fibro.jp/


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コメント 22

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moto

腰部脊柱管狭窄症かなあ。。ちょっと若いけど・・
背中を反らせるような格好をさせると痛みが増すんですよね。
バイク事故の頸部はいわゆるSCIWORAっていうんでしょうか?上肢に症状が出てるから、中心性の脊髄損傷に近いもので、下腿のしびれ・いたみとは関係ないっぽい気がします。。
by moto (2007-11-23 17:12) 

元なんちゃって救急医

>腰部脊柱管狭窄症かなあ

moto先生、病歴に腰部MRI異常無しを追記しました。
by 元なんちゃって救急医 (2007-11-23 17:41) 

moto

うーん、じゃあ、前脛骨筋炎で、三里のツボを押したら「いたたた」となったとか(^^;。
すみません、今回は当たらなさそうな気がします。どなたか、あとはヨロシク。
by moto (2007-11-23 17:48) 

panda

はじめまして。研修医2年目のpandaです。
いつも勉強させていただいています。
ありがとうございます。
いつもはぜんぜん思いつかないのですが
今回はたまたまひらめいてしまったので、、、。
線維筋痛症ではないでしょうか?

「手・足・腰診療ハンドブック」の仲田先生の外来を
見させていただいたときに
ACRの18箇所の圧痛点について教わりました。
4kgの重さで押して11箇所以上で痛く、
3ヶ月以上続いている痛みだったような、、、。
そこをずっと押していったなら、痛い!という声が
響いてもいいような気がします。
by panda (2007-11-23 19:29) 

麻酔科

>左脾骨骨折
重箱のスミをつついてすいません。
MRIをとっているから、抜釘は終わっているんでしょうね。っとすると、末梢神経の損傷後に断端を押すといたたた、、だったのかな。
ペインは、苦手なので、すいません。
by 麻酔科 (2007-11-23 21:12) 

ビル

鑑別疾患としては、リウマチ性多発筋痛症(PMR)、線維筋痛症、

多発性筋炎あたりでしょうか。

若年であること、血液所見に異常ないことから、PMR、多発性筋炎は否定

できそうです。

睡眠障害もあり、たびたび患者が痛がるという記載からは、

pandaさんと同じで線維筋痛症を最も疑います。
by ビル (2007-11-23 21:15) 

ビル

線維筋痛症だとしたら、Y医師はいけてるなあ・・・。

大体、時間外診療でこういった患者さんがきたら、

まずここまでやる気がわきません。

安易に心因性疼痛?なんてカルテに記載しそうです。

ぶっちゃけ、Y医師に憧れます。
by ビル (2007-11-23 21:38) 

こんた

線維筋痛症っぽいですね
さて、誰が診るべきか?

こういう患者さんが得意なら科にかかわらずに
Y先生が診続けるのが、患者さんにとっても一番な気がします(救急部ではそういうわけにもいかないのでしょうが)

むかし、某SNSの掲示板で
”有病率から推測すると日本に200万人の患者がいるはずだ”
と仰っていた方がいました
by こんた (2007-11-23 22:29) 

北の狼

はじめまして。
いつも楽しく拝読させていただいています。放射線科医ですが私も参加させてください。

四肢(たぶん関節)に慢性の痛みがあって、そこ以外に圧痛があって、そのことが診断の決め手になるとしたら、(線維筋痛症もそうでしょうが)脊椎関節炎をここで私は推したいですね。
冒頭でMRIの話が出てますし、若い男性ですし、それに線維筋痛症は当ブログで最近紹介されたばかりですから(笑)。

まあ、線維筋痛症と脊椎関節炎とを同一カテゴリーの疾患とする(少なくともオーバーラップがあるとする)見解もあるようですが。
by 北の狼 (2007-11-24 00:23) 

僻地外科医

う~~~~む。
 線維筋痛症だったら「ありがとうございました」とすっきりして外来に来るかなぁ?

 あ、でも圧痛点が1カ所じゃないというのはそれっぽいですね。
by 僻地外科医 (2007-11-24 01:33) 

koba

線維筋痛症と脊椎関節炎(血清反応陰性脊椎関節炎のことと思います)に一票です。同時に存在するという判断のことも多いと聞きます。また、他の膠原病の合併も多いですね。

また、下腿外側ということで、
・末梢レベル:総腓骨神経の外傷後神経痛。髄鞘の再構築の際の異常感覚(障害期⇒脊髄感作期(感覚感受性亢進:Aδの脱抑制痛)⇒慢性痛)。これは脱髄部のタッピングで症状の誘発あり。慢性疼痛による「うつ」・「睡眠障害」?鑑別としてはありだと思いますが。
・脊椎レベル:L5でしょうか。MRIでも陰性ですし、否定的ですかね。

「たびたび診察に響き渡った」のですから、圧痛点が複数と考えればやはり線維筋痛症類縁疾患を考えます。
by koba (2007-11-24 02:07) 

田舎の一般外科医

私も線維筋痛症~脊椎関節炎に1票ですね.

ただ,私も僻地外科医先生と同様に,「ありがとうございました」になるかな~,というところが引っかかります.
by 田舎の一般外科医 (2007-11-24 12:38) 

くらいふたーん

一瞬 RSDも頭をよぎりましたが・・・
誘惑に勝てずに 考える前に皆さんのコメントを読んでしまい
繊維筋痛症に1票です。
で 「有り難うございました」 ですけど
「今までは 通り一遍ですぐ画像やらなんやらして うちの病気じゃないですねって 言われたけれど きちんともう一回考えてくれて診察してくれて ひょっとしたら診断がつくかもと言う希望を与えてくれて・・・ありがとう」という意味ならあり得ると思います。
by くらいふたーん (2007-11-24 21:09) 

kinmuiです。

ASなどの血清反応陰性脊椎関節炎というのは 血沈なども含めて 炎症所見がないのなら 炎 でよいのでしょうか。局所の炎症しかないので、血液にも異常が出ない という理解でしょうか。
でも 関節炎である以上は、慢性経過であるなら、なんらかの異常が画像でも描出されて来てもよいはずで、おそらく診察所見で可能性があれば、MRIなどで異常がないかを検索し、拾い上げることになるでしょう。
線維筋痛症と重なる という考えは かなり問題があると思います。ASが初期にはX線写真では変化がまだ出ていないために、他の病態と考えられていた ということなら あっても当然だと思います。

線維筋痛症とは たとえ診断されても、あちこち医療機関をわたりあるく患者さんが多いような気がしています。勤務先では診ていない(診る余裕も 経験もない)で、他へ回しているせいかもしれませんが、当方にも 診てくれますか という問い合わせばかりはよく来ますので。。。。
それにしても どうして痛みが強くなってしまうのでしょう。
by kinmuiです。 (2007-11-25 11:08) 

元なんちゃって救急医

>それにしても どうして痛みが強くなってしまうのでしょう。

疼痛神経伝達系における下行抑制系の機能低下による疼痛閾値の低下が言われています。

ノイトロピンやSSRIがその機能賦活に有用だそうです。
最近知りました。
by 元なんちゃって救急医 (2007-11-25 11:26) 

りうまち内科医

>kinmuiです。さま

線維筋痛症の診断基準には除外基準を設けていないので
関節リウマチ、脊椎関節炎、シェーグレン症候群などの膠原病であろうが
精神科疾患であろうが
悪性腫瘍であろうが

圧痛点の基準さえ満たせば
線維筋痛症と診断して構わないのだそうです

有病率から推測すると
日本には200万人の患者さんがいらっしゃるのだそうです
by りうまち内科医 (2007-11-25 16:48) 

りうまち内科医さま

そうですか。。。圧痛点の基準があるのみの症候群 で 基礎疾患があってもなくてもいいんですか。
そうしますと、基礎疾患の有無によらずに 疼痛閾値が低下した患者さんという理解でよいのでしょうか。
でも 基礎疾患があれば まずその治療で、炎症あれば 安全で可能な範囲で まずは消炎鎮痛剤になるように思います。

ノイロトロピンは どこまで効くのかなあ と思います。帯状疱疹後疼痛にも最初だけはいくらかは良いようでも その後はあってもなくても同じだ と言われることが多いように思います。
不定愁訴というよりは(不定ではなく)固定されている愁訴で、器質的異常は見当たらない症状に対して、SSRIを処方している ないし 他科から処方されている患者さんは 外来にも多いのですが、いくらか良いかな くらいばかりで。
低下した閾値を上げる=敏感すぎるのを鈍感にするのに もっと有効な方法があるとよいのになあと つくづく思います。多少からだが傾くとか、敏感すぎて訴えの多い患者さんは少なくなく、どうしてこうも敏感な患者さんが多いのでしょう。(薬の効果にも敏感だと うれしいんですけどね。)
by りうまち内科医さま (2007-11-25 17:26) 

kinmuiです。

上の欄 間違って記入してしまいました。
by kinmuiです。 (2007-11-25 17:28) 

moto

線維筋痛症とは思いつきませんでした・・
しかし、疑ったのは良いとして、エントリー読み直してみて思うのですが、この患者、本当に線維筋痛症なのでしょうか?・・
圧痛点の基準でくくれば、そうなるのでしょうが、診断基準のfalse positiveってことは、もちろんありうるわけで。
もっとも疾患自体が診断基準によって定義されているのだ、と言われれば、もちろんそうなんですけどねー。
少なくとも、疾患が疾患として認知されて、しかるのちに、診断基準が出来ているわけですから、診断基準を満たす=診断確定というのは、どうも抵抗がありますです。。
by moto (2007-11-26 12:45) 

勤務医です。  

moto先生のいわんとすること よくわかります。。
なんだか 診断基準が出て この診断名は濫発されている気がしてなりません。
この病名で診断することに どれくらい意味があるんでしょう という感じがしてしまうのです。
何だかわからない 異常がない といわれ続けていた 患者さんには 良い面もあるんでしょうけど。。。
 
患者さんから 自分は線維性筋痛症で よろしくお願いします といわれても。
by 勤務医です。   (2007-11-26 22:26) 

元なんちゃって救急医

>この病名で診断することに どれくらい意味があるんでしょう

こういう患者は、医療者側の、原因-結果の一元論だけでは解決しえないと私は思っています。

FMSというラベルを貼ることで、医師側のそういう線形思考だけではいけないという気づきを得る意味があるのではないかと思います。

そういう意味で、診断基準に除外基準がないというのはうなずけます。
by 元なんちゃって救急医 (2007-11-27 09:35) 

風を見たか

同じような患者を精神科で診ていたことがあります。

 病名が問題なのではなく、不定愁訴といわれ続けていた患者差別を、後遺症「患者」さんとして人間扱いで補うことが肝要であり、真面目な整形外科医等々と喧嘩別れしていることが特徴かと感じました。

 因みに、自己免疫性疾患、筋変性疾患など正体不明の症候群を抱えている、精神科患者さんは多いですね。

 因みに軽い痛みには抗鬱剤が効きます。
by 風を見たか (2007-11-30 00:02) 

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