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○○○○(=劇症肝炎)という地雷 [救急医療]

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当ブログでは、地雷疾患(疾患をこのように表現するブログ主の意図はこちら⇒地雷番付表)を紹介してきた。しかし、あるとき、健康だった人を突然死の淵に追いやってしまうような怖い疾患は、まだまだたくさんある。 そこで、本日は、当ブログで初見の疾患を紹介することにする。 

医療者側の立場からすれば、その疾患も、れっきとした地雷疾患の一つであると言えると思う。患者さん側の立場からすれば、元来若く健康な人であったとしても突然生死の境をさまようことになる疾患でもあるので、悪しき結果(死など)をつい医療者の不手際のせいではないかと疑心暗鬼になる気持ちもになるのも致し方ないのかもしれない。しかし、どんなに現代の最先端の医療が手をつくしても、その力及ばず、死という残念な結果を招く可能性が依然高い疾患であることには変わりない。

そんなとき、その人その家族にとってこんな気持ちがしばしばわきあがる。
「なんで私だけが・・・」
「なんであの人だけが・・・」

運命とは時に悲しいまでに非情である。

医療とは、その運命の流れに逆らおうとする人智のささやかなる抵抗に過ぎないものなのかもしれない。だからこそ、私達は、普段の日常生活の中で、その非情な運命が自分や自分の家族に向いてしまったときの心の拠りどころをどこに求めるかあらかじめ考えておくのがよいのかもしれない。

そんな非情な運命を受容し乗り切っていくための一つの方法が宗教といえるのかもしれない。

では、そろそろ本日の症例

22歳 男性  全身倦怠感。

元来健康。既往歴・家族歴に特記事項なし。4日ほど前より、咳と発熱が出現し、休日診療所を受診。感冒薬処方された。本日より、全身倦怠感が増悪、嘔気も少し出てきたため、G医院を受診(初診として)。近医受診時:意識は清明 BP108/63 HR 95整 KT36.8。 G医院の院長は、身体診察にて、はっきりと◇◇(=黄疸)を認めたことより、検査ができる施設にすぐに行くのがよいと判断。そのような経過をふまえて当院救急外来を独歩受診した。

私達も診察した。 全身倦怠感があるとは言うものの、本人は元気そうである。 そのうち、採血データが帰ってきた。 

「うあ~~~、こりゃいかん」 と私達は驚いた。

本人に絶対入院と伝えると
「え~~、それは困る。薬で何とかならんですか。」と私達に懇願。

私達は、患者の母親にも連絡をとらせてもらい、入院の必要性を説明。
私達の強い入院の勧めに、ようやくしぶしぶと本人納得し、入院。

そして、その日の夜、病棟で事態が動いた・・・・・。

深夜、巡回にきた看護師が、真っ暗な総室の中のカーテンで仕切られたベッドの一室で、わずかな薄暗い明りを頼りにベッドサイドのゴミ箱をあさっている患者を発見した。

看護師 「どうしまたか? Sさん(患者のこと)。」
Sさん  「おい、俺のパンツ知らないか?ないんだ、どこ探してもないんだ・・・」

声をかけられ振り向いたSさんは、そう答えるとまたすぐにゴミ箱を探し始めた。
看護師も一緒に探し、本人が読んでいたと思われる文庫本がTV台の脇に落ちているのを発見した。

その文庫本を見せながらSさんに看護師は語りかけた。

看護師 「これですか?」 
Sさん 「そう、それやそれや・・・・・・・」

Sさんは、にやにやとしながらそれを受け取った。そしてさらに何かをつぶやいていた。
看護師には何をつぶやいていたのかよくわからなかったという。

この辺でそろそろ止めておきます。

さて、この患者さんはどんな地雷疾患なのでしょう。
○○○○は、漢字四文字の疾患名。 ◇◇は、身体症候で漢字二文字です。

しばらくコメントは開放せずにいます。ある程度の数のコメントが頂けた時点でおいおいとコメント欄開放させていだきます。たくさんのコメントお待ちしております。

○○○○と◇◇は、後日追記アップ時に書換え予定です。

(9月19日 記)

(9月21日 以下追記)
皆様、ありがとうございました。 コメント欄 9月21日 午前9:00 開放させていただきました。

私の予想を超えたたくさんのコメントをいただきました。コメント解答をしばらく非公開にすることの効果でしょうか?比較的お答えいただきやすい症例だったからでしょうか? いずれにせよ、ありがたいことです。

さて、今回は統計はとりませんが、8割方くらいの印象でしょうか。私が想定していた次の解答を当ててくださいました。
○○○○という地雷=劇症肝炎という地雷、
◇◇という身体症候=
黄疸という身体症候


非医療者の方々もおられると思いますので、劇症肝炎とはどんな病気であるかというものの参考サイトを引いておきます。
難病情報センターより  一般の方向け  医療者の方向け

上記サイトより引用すれば、これくらい死ぬ病気ということです。 

救命率は急性型が56%、亜急性型が39%に昇っております。(原文引用)
ということは・・・・・
死亡率は急性型が44%、亜急性型が61%に昇っております。(ブログ主による原文言い換え)

つまり、劇症肝炎にかかると生きるか死ぬか五分五分ということですね。十分怖い病気でしょ・・・・・・。

提示した症例についてです。

主な初診時血液データ  
Hb 14.7 WBC 7100 PLT 10.8↓ T-Bil 13.6↑ D-Bil 9.1↑ AST 4039↑ ALT 5010↑ ALP 261 γGTP 145↑ LDH 1708↑ BUN 14 CRE 0.7 Na 140 K 3.8 Cl 100 CRP 2.5 AMY 35 NH3 51 PT(再検確認済)  15%↓

元来健康な若年成人の方が、初診でこんなデータをしていたら、皆様もさぞびっくりされるでしょう。なお、夜に精神症状(肝性昏睡Ⅱ~Ⅲ度)が出た後のNH3の値は233でした。

詳細は割愛しますが、この症例は、初感染の急性B型の劇症肝炎と診断されました。 移植も検討されましたが、幸いにもそこまでは行かずに、専門医による賢明な治療(ステロイドパルス・血漿交換・持続的血液濾過・抗ウイルス薬など)により、突然近くにやってきた死の淵を渡ることなく、自分の力と医療者の援助により、無事生還することできました。

この症例、診断という意味だけではあまり地雷的ではないかもしれませんが、それでも、風邪症状の患者を軽く見る対応ばかりをしていると、検査がないがしろになりがちです。そんなときは、劇症肝炎という地雷を踏むかもしれません。要注意です。

こんな報道覚えてますか? 劇症肝炎で亡くなった吉本の若手芸人の河本さんです。

25歳、吉本漫才師 ベイブルース 河本栄得さん 劇症肝炎で死去
1994.11.02 日刊スポーツ

上方漫才のホープ、ベイブルースの河本栄得さん(かわもと・えいとく=本名同じ)が10月31日午後4時48分、大阪市内の病院で劇症肝炎の進行による脳内出血で亡くなった。25歳の若さだった。疲労による急性肝炎と診断され10月19日から入院していた。吉本興業所属で、将来を嘱望されていた若手実力派だけに、関係者は大きなショックを受けている。河本さんは
13日ごろから風邪気味で熱があるなどと体の不調を訴えていた。しかし、テレビ番組のロケでミニ・トライアスロン(水泳200メートル、自転車5キロ、マラソン5キロ)をこなすなど休む間がなく、19日になって近くの病院に自分で出向いて診察を受けたところ、疲労による急性肝炎と診断され直ちに入院した。20日夕方にはICU(集中治療室)に移され、22日夜には意識がなくなり、こん睡状態に陥った。その後も一進一退が続き、31日になって容体が急変。母や妹など身内に見守られて息を引き取った。皮肉にも11月1日は河本さんの26回目の誕生日で、通夜の行われた大阪市内の葬祭場には女子高生を中心にファン約200人も詰め掛けた。河本さんは吉本興業所属で1988年(昭63)5月、相方の高山知浩(26)と漫才コンビのベイブルースを結成。90年(平2)にはNHK上方漫才コンテストで優秀賞、91年には上方お笑い大賞の銀賞に輝いた。心斎橋2丁目劇場での活躍で関西では女子中、高生に人気が高く、ダウンタウンを追いかける若手コンビとして期待をかけられていた。河本さんも「来年は1億円プレーヤーや」とはしゃいでいたが、それも夢になってしまった。この日会見した高山は「早う、仕事に戻ってきてくれ。そればかり思っていた。それが、あいつ、悪うなるばかりで、何年かかってもいいから、治ってほしかった」と涙を見せた。河本さんは医師から「何%かでも望みがある」と言われ、「先生、そんなに悪いんですか」と悲そうな声で聞いたこともあったという。今月19日にリリースされる初CD「夫婦きどり」がベイブルースとして最後の仕事になった。高山は「僕が頑張って売れれば、あいつは“伝説の人間”になる。今まであいつのおかげでここまで来れた。今度は僕が頑張る番」と言い切った。
★間「かわいそう」
河本さんを主演映画「ファンキー・モンキー・ティーチャー5」で起用した吉本興業の先輩、間寛平(45)は、10月31日に河本さんの悲報を聞いたという。「あいつ、見るからに健康的やないですか。かわいそうになあ」と声を湿らせた。間が河本さんに最後に会ったのが今年5月。「もうずっと映画に出てくれていて、プロデューサーと“パート6もあいつらに出てもらおうや”と話していたんです。二人ともまじめやったし、腰も低い。若いヤツの面倒見もいいしな」。1日、間は都内でボルネオ島で行われたサバイバルレース「レイド・ゴロワーズ」の完走会見に出席した。間は同レースで参加台数40台のうち15位でゴールし、日本人として初完走だった。会見中は「一円玉くらいの精神ハゲができた」など過酷なレースであることを、ユニークなエピソードで強調していたが、最後は「レースで汚い水飲んだりしてた僕らがなんともなくて、健康そうやったアイツが死んでしまうなんてな」とつぶやいていた。


漫才「ベイブルース」で人気の河本栄得さんが劇症肝炎で急死
1994.11.01 毎日新聞大阪夕刊

若手漫才師として関西の女子高生らに人気のあった「ベイブルース」の河本栄得(かわもと・えいとく)さんが十月三十一日午後四時四十八分、劇症肝炎による脳出血のため入院先の大阪市天王寺区の大阪赤十字病院で死去した。きょう一日が二十六歳の誕生日だった。葬儀・告別式は二日午後一時、喪主は母末子(すえこ)さん。河本さんは、「ダウンタウン」らが卒業した吉本総合芸能学院の出身。大阪市立桜宮高校野球部で同期生だった高山知浩さん(26)とコンビを組み、一九八八年に「ベイブルース」を結成、「心斎橋筋二丁目劇場」を中心に活躍。上方漫才大賞新人奨励賞(九○年)、上方お笑い大賞銀賞(九一年)を相次いで受賞。軽妙なやりとりで劇場ではトップクラスの人気コンビだった。今春からベテランにまじって「なんばグランド花月」や「うめだ花月」に出演。入院直前には二人で作詞したCD「夫婦きどり」をレコーディングし、将来を期待されていた矢先だった。先月十九日朝、発熱して動けなくなり入院。漫才仲間が交代で看病に詰めていたが、三十一日になって容体が急変した。

脳出血は、DICによるものでしょうか? 赤字に示した経過を見ると劇症肝炎の進行の怖さが伝わってきます。助からなかった一例として引用してみました。

こんな訴訟もあります。

「娘の死は診断ミス」 父親ら、病院と国を提訴
2003.12.11 読売新聞 中部朝刊

肝炎の治療を受けた中学生の長女(当時十四歳)が死亡したのは、受診したXXX市内の病院と転院先のXXXXX病院の診断ミスが原因として、XX市内に住む父親(39)ら遺族が、XXX市市内の病院と国を相手取り、約八千万円の損害賠償を求める訴訟をT地裁に起こした。原告側代理人によると、中学生は今年N月
十三日に肝炎を発症、翌十四日にXXX市内の病院で急性肝炎と診断され、そのまま入院した。しかし、症状が改善せず、十六日午前、XXXXX病院に転院したが、同日午後七時ごろ、溶血性尿毒症症候群で死亡した。遺族らは、中学生は急性肝炎ではなく、より進行が早い劇症肝炎だった疑いがあり、XXX市内の病院が症状や血液検査などから適切な診断をしなかったため、治療や転院処置が遅れたとしている。また、XXXXX病院は、ただちに輸血や人工透析をするべきだったとしている。XXX市内のこの病院は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。


長女の死亡は誤診が原因  XXXXX病院を提訴
2003.12.10 共同通信

黄疸(おうだん)の症状が出て入院した中学生の長女=当時(14)=が死亡したのは、医師らが劇症肝炎を急性肝炎と誤診したのが原因だとして、XXXX市の両親が、XXX市の「XXX病院」とXXXXX病院に対し、合わせて約八千万円の損害賠償を求める訴訟をT地裁に起こしていたことが、十日分かった。弁護士によると、長女は今年N月診察を受けたXXX病院で急性肝炎と診断されて入院。二日後に容体が悪化し、XXXXX病院小児科に転院したが、その夜多臓器不全などで死亡した。原告は、両病院の医師らが急性肝炎と誤診し、XXX病院は転院を遅らせ、XXXXX病院も早期の輸血と人工透析を怠ったとしている。XXX病院のT事務長は「訴状を見ていないので詳しいことは言えないが、医師は自信を持って適切な処置をしたと受け止めている」としており、XXXXX病院は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。

臨床経過は早そうですね。劇症肝炎の恐ろしさの一端をここにも垣間見ます。ですが、この報道では、妥当な医療が行われたのか否かについては論評不可能です。むしろ、見出しのつけ方と病院の実名報道により、医療の妥当性とはまったく関係のないところで、風評被害だけが先行しそうです。 この見出しのつけ方最悪だとおもいませんか?診断ミス、誤診とどうしてマスコミが確信をもてるのでしょう???  そして、報道しっぱなしの姿勢。  この裁判の結果をご存知の方はいませんでしょうか? 私の検索能力では、判決を知ることができませんでした。 有料新聞記事検索(G-search)で探しても、最高裁判所の判例検索を使っても、手元にある医療訴訟の本をあさっても、判決が見つからなかったのです。マスコミは、「提訴段階のみの報道しっぱなしで後は知らん」という態度であった可能性が高そうです。患者側の要求が認容されていればマスコミが報道した可能性が高いと仮定すれば、報道しなかったことは、原告敗訴ということではなかったのだろうか?と推定はできそうです。個人的な推定であり、確証はもてませんが。

劇症肝炎の患者さんが、最初から集中治療のできる病院を受診するわけではなく、感冒様の症状で、開業医なり、時間外診療なりを最初に受診する可能性が高いわけですから、高次医療施設への転送判断の時期が訴訟という観点からは大きなポイントになりそうです。

最後にまとめです。

本日のまとめ
まったく健康な人でも突然劇症肝炎で命を失うこともある。その生死は5分と5分といったところである。
医療機関は高次施設への転送判断がひとつのポイントなのかもしれない。

(9月21日 9:00AM 記)


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コメント 51

コメントの受付は締め切りました
moto

「劇症肝炎」で「黄疸」でしょうか?譫妄は肝性昏睡の一歩手前ということで。
4文字のほうは、ウイルス感染による「急性脳症」でもシナリオとしてはいいかと思いますが、二文字のほうが適当なのないし、採血データで「うわーこりゃいかん」っていうのも無いし・・
帯状疱疹のひとが、譫妄・見当識障害きたしてきて、脳症かと肝を冷やしたことあったなあ。。
by moto (2008-09-19 16:44) 

おが

二度目の挑戦です。よろしくお願いします。

身体症候:舌炎か頻脈
疾患名:悪性貧血

発熱の既往、全身倦怠感の訴え、消化器症状、脈が比較的速いこと、ナース回診時の精神症状からこの診断に至りました。血液検査結果が間もなく出て値に驚いたという記述は、血算生化学の異常を示唆します。治療法が確立していて放置すれば重大な転帰をとる点で、地雷疾患の称号にも値します。悪性貧血とすれば、声を掛けられるまでナースに気づかなかったことやパンツと本を間違えたことも聴力視力の低下として理解できます。

by おが (2008-09-19 16:51) 

まーしー

疾患は「劇症肝炎」、身体症候は「黄疸」ですかね。

黄疸なら、診察で気付くでしょうし、検査データで肝酵素・ビリルビン・アンモニアでどひゃーと来て、最後の精神・神経症状は肝性脳症でしょうか。

原因は休日診療所で処方された感冒薬でしょうか。
by まーしー (2008-09-19 17:59) 

ハッスル

黄疸、肝性脳症
と考えました。

感冒薬服用、初期症状、自覚他覚症状のギャップなどの状況から考えました。ただそうなると劇症肝炎とかを想定しますし、通常の病室と風景で入院対応になっている様子が違うでしょうか。

鑑別疾患として心筋炎や脳炎、髄膜炎(コードブルーにもありました)なども考えますが、症状(頭痛、発熱、痙攣、意識障害がないこと)に加え、医院で所見即判断という状況や既出というのが違いますか・・・。
by ハッスル (2008-09-19 18:01) 

研修医Laurant

初めまして、最近ちょくちょく覗かせていただいてます。
大変参考になる症例などが多く素晴らしいブログだと思います。

身体診察ではっきりと認める◇◇、全身倦怠感、意識障害をきたし致命的…

○○○○は劇症肝炎
◇◇は黄疸

でしょうか。感冒薬(アセトアミノフェン?)による薬剤性肝炎も可能性はなくはないでしょうし。
前回の捻転もわからなかったのでまったく自信はないのですが(^^;
by 研修医Laurant (2008-09-19 19:21) 

DYP

ひょっとして○○○○とはペラグラで、
◇◇は健忘? 妄想? 幻覚? 痴呆?(死語ですが)
ではないでしょうか。
by DYP (2008-09-19 19:29) 

麻酔科医

黄疸
肝性脳症、急性肝炎

でどうでしょうか?
by 麻酔科医 (2008-09-19 19:46) 

しばはな

○○○○は劇症肝炎。◇◇は黄疸ではないでしょうか?
若い方の全身倦怠感というと、肝機能が気になります。また、夜間のエピソードのより肝性脳症が疑わしいのではと考えました。最初は項部硬直が浮かんだのですが、身体症候が漢字2文字と明らかな中枢神経障害により上記に考えを変更しました。
by しばはな (2008-09-19 20:29) 

腎臓内科医

経過からすると劇症肝炎、身体所見は黄疸でしょうか。
でもそれではあんまり地雷とは言えませんね。
by 腎臓内科医 (2008-09-19 21:26) 

BOO7010

 初めてコメントさせていただきます.

 病名は劇症肝炎,症状は黄疸でいかがでしょうか?

 前医で処方された感冒薬が原因になることもありますし,夜間の行動も肝性脳症で説明がつくような気がします.
by BOO7010 (2008-09-19 22:15) 

沼地

画像が無い症例についてはしろうとなみだろうけど、推理ゲームみたいなので参加してみます。
神経症状が出てますが、独歩受診なさってるのでG医院で見られた所見は神経症状以外と推理。
感染症がありそうだけど、直接に脳炎だったら採血データでは驚かなさそう。
というわけで、私の推理は身体症候は「黄疸」で、疾患名は「劇症肝炎」もしくはそれに伴う「肝性脳症」
by 沼地 (2008-09-19 23:11) 

ここりん

こうゆう、一晩でいきなり、わけのわからないことを言い出した患者さんがいました。
若い人でしたが、
結局診断は、E型肝炎の、劇症肝炎でした。(生肉を食べたようだ!?)
豹変ぶりに、こわかったです。
黄疸、劇症肝炎?


by ここりん (2008-09-20 00:39) 

勤務医です。

難しい。。
血液検査でわかるもの といえば 重症感染症であった可能性か。

夜の症状は意識障害か、失語症状か。失語なら まずCTだよなあ。

心内膜炎で 細菌性髄膜炎の発症で 脳梗塞も併発する可能性もありますが、意識障害か。ならば 身体所見は まずは心雑音だが。。。

初めから ADEMなどの脳髄膜炎なら CTかMRIと 腰椎穿刺だし。。。

電解質異常などによる意識障害?
それにしても。。。
何でしょう。

by 勤務医です。 (2008-09-20 01:26) 

勤務医です。追加

意識障害を来すのは、まれですが TTPとかもありましたね。でも これは漢字4文字にはなりませんねえ。

心内膜炎でも 紫斑があった可能性かなあ。


by 勤務医です。追加 (2008-09-20 01:32) 

ドクターサイコ

 ブログ主さんからの課題に初挑戦です!
 お手柔らかにお願いします(^^;)

 ブログ初見の地雷疾患ですか。
 う~ん。初診時の様子はいろんな疾患を疑わせて絞りにくいですね。
 血圧がそこそこ低めなのも、この年代で特に異常とはいえませんし。
 夜のご様子は明かに意識変容状態ですね。
20台の元気な方で意識レベル低下というと、ぱっと思いつくのはアルコール離脱、脳炎髄膜炎、劇症肝炎、あと薬物中毒とかでしょうか??
○○○○は髄膜脳炎とか、劇症肝炎、薬物中毒で。
でも、そうすると◇◇は???
麻痺・・・はあまり脳炎で起きませんし、痙攣とかなら救急車で来るでしょうし。
肝炎なら黄疸とか紫斑とか。
本人のオーバードーズによる薬物中毒は経過からあんまり考えにくいですね。
あ、最初に感冒薬をもらっているんですね。
大学にいたときに、近医でもらった解熱剤の不適切使用で劇症肝炎に近い急性肝障害を発症し、肝移植の一歩手前まで行った患者さんを診たことがありますが、まさか・・・?
by ドクターサイコ (2008-09-20 02:00) 

rirufa

夜中に痴呆、その前に倦怠感や嘔吐があったということは、

○○○○は急性脳症で、
◇◇は水泡でしょうか?


by rirufa (2008-09-20 04:01) 

立木 志摩夫

4日間続く咳・全身倦怠感・発熱。
基礎疾患のない22歳男性
精神症状出現
ですよね。

「黄疸」が出た「劇症肝炎」ですかねぇ



by 立木 志摩夫 (2008-09-20 05:55) 

石部金吉

回答 : 「黄疸」を認め、「肝性昏睡」と診断した

診断としては、他に
ヘルペス脳炎、化膿性髄膜炎、肺炎、統合失調症など、
が考えられますが、血液検査で確定した漢字4文字の疾患、
というところが、どれも合いませんね。

そういえば、脳外科に通院中の患者さんに、
昨日、血液検査すると AST,ALT とも1500ありました。
それで消化器内科に紹介したら、即入院になったようです。

病院に呼ばれた御家族は、
「このまま進行するようなら血漿交換もあり得る」
という説明を受けておられました。

まるで小説の世界ですね。
元気そうに見えていた人なんですけど・・・・・・

by 石部金吉 (2008-09-20 07:04) 

僻地外科医

簡単に診断が付く身体所見、明らかなせん妄状態より

○○○○:急性肝炎
◇◇:黄疸

と拝察します。
by 僻地外科医 (2008-09-20 07:20) 

僻地外科医

追記
○○○○は劇症肝炎でも良いかもしれませんが、私のイメージとしては急性A型肝炎~劇症肝炎ですので、あえて急性肝炎としました。
by 僻地外科医 (2008-09-20 07:27) 

いなか総合診療医


全身倦怠感があり身体所見で明らかな異常を認めるとなると、「黄疸」でしょうか。そして明らかな検査異常があり、意識の混濁が出現しているので劇症肝炎を発症しているのではないかと思います。

by いなか総合診療医 (2008-09-20 09:11) 

風流風天

劇症肝炎、黄疸でしょうか。
by 風流風天 (2008-09-20 10:06) 

DYP

申し訳ありません、「漢字4文字の疾患」だというのにカタカナ4文字の疾患でコメント投稿してしまいました。失礼しました。
by DYP (2008-09-20 10:47) 

通りすがり医

こんにちは。いつも楽しく拝見させていただいております。
採血データを見てワーッと驚いて入院を勧めたということと入院後の異常行動から、
○○○○--劇症肝炎(急性肝炎、肝性脳症)、◇◇--黄疸(振戦)くらいしか思い浮かびません。
風邪薬の副作用でしょうか。
by 通りすがり医 (2008-09-20 11:09) 

ラ王

一応医師ですが、患者さんの診療には直接かかわりにくい診療科なので、このブログは大変勉強になっています。

○○○○=急性肝炎
◇◇   =黄疸
夜中の異常行動は肝性脳症によるものと推測します。

研修医のころ同様の若い患者さんをICUで見かけたのを思い出しました。血漿交換したり、肝移植の手配をしたりと大変そうでした。
by ラ王 (2008-09-20 11:24) 

もと救急医

一点予想で、黄疸と劇症肝炎。

集中治療もやっていたのですが、
20~30代が死んでいくのを見るのはつらかったです。
移植ができればねぇ。
by もと救急医 (2008-09-20 12:05) 

ニック

いつも拝見しております。先生の健康を心配しています。ご自愛下さい。さて解答ですが、劇症肝炎!身体症候は「黄疸」でしょう!夜の症状は肝性昏睡。一応元消化器内科医なのですぐ気づきました。
by ニック (2008-09-20 12:09) 

foobirds

劇症肝炎

黄疸

でしょうか。いままでに怖いめにあったことはないですが、ほんとうにどうしようもない症例ってありますよね・・・。
やっぱり救命のためには、生体肝移植とかしかないのでしょうか。
by foobirds (2008-09-20 13:34) 

元医者

当て物?の時だけお邪魔する不埒な元医者です。これは、黄疸そして劇症肝炎ではないでしょうか?精神症状は肝性脳症。ウイルス性、薬剤アレルギー、自己免疫性すべて考えられますが、経過等からHAVがもっとも考えられそうです。最初は紫斑そしてTTPが思い浮かんだのですが、TTPはどうしても漢字4文字にならないので。経過が早いので、肝再生も期待できるかもしれません。亜急性型は本当にどうにもなりませんでした。今なら、肝移植が考えられるのかもしれません。
by 元医者 (2008-09-20 13:53) 

ミヤテツ

○○○○は、漢字四文字の疾患名。 ◇◇は、身体症候で漢字二文字ですとヒントがあるのですが、思いつきません。
ヒントなしで、病歴見て思っていたのは劇症急性発症型の糖尿病ですが、これは既出だったように思うし、白血病でもおかしな行動は出ることはあるけど、字数が合わないし、溶血性貧血でもおかしな行動はでることがあるけど、同じく字数が合わない。
無理やり合わすために、血液疾患と紫斑では。

by ミヤテツ (2008-09-20 16:55) 

東京の透析医

ご無沙汰しております。
また、とんでもない解答をして落第することを覚悟の上で・・・。

○○ は ”黄疸”
○○○○ は ”急性肝炎”

矛盾はしないと思います。でも、自信はまったくありません。
患者の顔をみれれば・・・。
やっぱり、字面だけではなんとも。

でも、後半の何となく意識障害的なものも
肝性昏睡と考えればよいのかなー と思っています。

あっ そうなると

○○○○ は ”劇症肝炎” 
でも良いのか・・・。

後々に、前言を翻す可能性が大です。
お願いします。 labo data見せてください。
今晩も眠れなくなりそう。
by 東京の透析医 (2008-09-20 17:22) 

元二等兵

◇◇は、黄疸。○○○○は、劇症肝炎でいかがでしょう?

遠い昔のレジデント時代、急性肝炎の診断で入院された方の受け持ちをいたしました。入院直後に問診にいき、“〇〇さん、入院になる前、沢山お酒を飲まれましたか?” と尋ねたところ、うつろな目で、“マイルドセブン・・・ ”と答えが帰ってきました。何でタバコのことなんか、答えるのかなあ と不思議な感じがしましたが、すでに肝性脳症を併発していたようで、数時間後には意識も消失、そのまま二度と回復することなく他界されました。AST/ALTが高かっただけでなく、入院時のPTからして、すでに異常なまでの低値だったと記憶しています。
by 元二等兵 (2008-09-20 18:15) 

NATROM

いつもは見ているだけですが、今回はもしかしたら私の専門領域でしょうか。○○○○は劇症肝炎、◇◇は黄疸ですか。診断は比較的容易ですが、「健康だった人を突然死の淵に追いやってしまうような怖い疾患」には十分当てはまります。

「風邪症状で黄疸なし。患者が『検査しなくて大丈夫か』と言うから採血したら急性肝炎だった」という事例は聞いたことがあります。幸いにもその例は劇症でもなんでもなくただの急性肝炎でしたが、「こっちが検査を要求しなかったら見逃されていた」という患者側の不満があったそうです。
by NATROM (2008-09-20 19:16) 

kuni

肝性脳症 振戦

いつもROM専門です。当院に回ってくる研修医達にはこのブログを見るよう勧めています。末永く続けていただくことを願っております。ということで、今回はちょっぴり協力させていただきます。
私は肝臓専門医ではありませんが--神経内科医です--当院の肝臓専門医は、肝性脳症に関しては、アンモニアの数値よりも振戦の有無を重視しています。当たってますように。
by kuni (2008-09-20 20:39) 

tip60

脾腫と劇症肝炎をうたがうと投票しました。単純ですが身体所見は黄疸かもと思い直しました。視診も身体所見のひとつには違いありませんから。検査値異常がはっきりしていて、急性の経過をとっていることからも劇症肝炎ではないかなと思います。(経験したことはないので、本当に机上の知識ですが。)
by tip60 (2008-09-20 21:01) 

tip60-2

脾腫と劇症肝炎をうたがうと投票しました。単純ですが身体所見は黄疸かもと思い直しました。視診も身体所見のひとつには違いありませんから。検査値異常がはっきりしていて、急性の経過をとっていることからも劇症肝炎ではないかなと思います。(経験したことはないので、本当に机上の知識ですが。)
by tip60-2 (2008-09-20 21:05) 

南十字星☆

非常に難しいです。
若年男性、急性発症、発熱、嘔気、全身倦怠感、頻脈傾向、進行性(?)の精神症状(神経症状ではなく)、◇◇という所見を見て血液検査(しかも、すぐに結果が返ってきうるもの)・・・。
ヘルペス脳炎に代表される「急性脳炎」としたいところですが、◇◇が埋まらなくて困ります。ネフローゼ+急性腎不全→高窒素血症、なんかも考えたんですが、文字数が合わないですね。
○○○○に「急性肝炎」or「肝性脳症」、◇◇に「浮腫」でいかがでしょうか?
あまり地雷っぽくなくなってしまいました。
by 南十字星☆ (2008-09-20 22:08) 

GYNE

○○○○は肝性脳症、◇◇は振戦
劇症肝炎によるものでしょう。
帰すと(入院させても…)、亡くなる率が極めて高そうですね。
2年目研修医のとき、自主ローテーションでまわった内科で、矢沢栄吉の赤いタオルを持って、肝性脳症でいつも入院してくる、アルコール性肝炎の陽気なおじさんを思い出しました。
by GYNE (2008-09-20 22:32) 

白

明らかにおかしい行動をとられ始めて居られることより、脳炎でしょうか。
感冒様症状から発症ですし、麻疹と考えました。
身体症候:皮疹
疾患名:麻疹脳炎
by 白 (2008-09-20 22:50) 

slummy

○○○○は劇症肝炎でしょうか。異常行動は脳炎や脳症を疑わせます。
当初は脳炎かと思いましたが、身体所見ではっきりわかる症候が脳炎では出にくいような。脳炎ではなく脳症ということであれば、肝性脳症ならば◇◇を黄疸とすれば話が合います。自験例では20代男性の劇症肝炎(HBV,HCVいずれも陰性で、原因不明)がありました。
大きくはずしてたら笑ってやってください。
by slummy (2008-09-21 00:41) 

シモイグ

感冒様症状で初発して、数日で見た目にわかる変化。でも本人には重症感がない。で、急速に意識障害が出る病気・・・・
一発決め打ちですが、 黄疸 と 劇症肝炎
しか思いつきませんでした。
「にやにやとしながらそれを・・・」といった妙な多幸感もあるようですし。
脳炎や中枢神経系の病気では、もう少し頭痛や高熱などの症状がありそうだし・・・
高血糖や尿毒症では、身体所見がなさそうだし・・・・
どうも初めに考えた病態に固執してしむ悪い癖です。
by シモイグ (2008-09-21 00:45) 

ビビりの研修医

んー………。
漢字四文字は肝性脳症、または劇症肝炎。
漢字二文字は黄疸でしょうか。それくらいしか思いつかないですね。
by ビビりの研修医 (2008-09-21 03:09) 

なんちゃって救急医

劇症肝炎 黄疸。です。
(※投稿者のご意向により解答以外の部分のコメントは非公開)

by まりあ







by なんちゃって救急医 (2008-09-21 06:31) 

研修医ぷよ

はじめまして。初投稿です。
以前から楽しく拝見させていただいております。

入院後の話も考えると、◇◇は黄疸、
○○○○は急性肝炎か、肝性脳症か、と思います。

忙しいところ大変でしょうが、これからも頑張ってください!!
by 研修医ぷよ (2008-09-21 08:37) 

なんちゃって救急医

これ以前のコメントが、すべて9月21日9:00AMに一括開放させていただいたものです。

by なんちゃって救急医 (2008-09-21 09:01) 

麻酔科医

劇症肝炎という日本語が出ませんでした。

この症例をみて一番に連想したのは、この急性妊娠脂肪肝の1例でしょうか。

http://obgy.typepad.jp/blog/2008/06/post-1341-2.html


by 麻酔科医 (2008-09-21 17:25) 

総合内科医志望

はじめまして.最近「日々是よろず・・・」を拝読させていただいてこのブログを知りました.バックナンバーを拝見しても,とても勉強になります.
「劇症肝炎という地雷」の主旨から少し離れてしまいますが,さしでがましくコメントさせていただければと思います.現在急性B型肝炎の多くは性感染症(STI)です.ご存知のとおりひとつSTIがあればその他のSTIにも同様にリスクがあります.(もちろんSTI以外の急性肝障害の鑑別も必要ですが・・・)ERその他で診療される先生方にはB型肝炎(急性・慢性・既往によらず)をみたらぜひ,その他のSTIのリスク評価,とりわけHIV感染症について検査と予防啓蒙をしていただきたい,と思います.というのも当院ではHIV感染症の方を多く担当しますが,HBVの既往や入院歴があってもそこでHIVについて言及されている方がほとんどおられません.その時に検査されていたら・・・のケースも多数です.
ぜひとも,心に留めておいていただければ・・と思います.長文失礼いたしました.


by 総合内科医志望 (2008-09-22 18:36) 

ビビりの研修医

 やはり劇症肝炎と黄疸でしたか。診断はできたものの、治療の戦略が私にはないのに愕然としました。勉強して動けるようにしておかないと。
 ベイブルースの河本氏がこの病気だった、というのは初めて実感しました。当時からお笑いが大好きで、ベイブルースの漫才もよく見てました。河本氏の最後のロケとなった映像も見ました。異様につらそうで、高山氏が作った料理を食べるのさえも億劫そうだったのをよく覚えています。映像となったシーン以外、河本氏はほとんど横になって休んだまま、ロケを進めたそうです。
by ビビりの研修医 (2008-09-24 23:14) 

勤務医です。

そうですねえ。
STIですよね。
新婚早々、パートナーからの感染で 死亡した なんていうのが 一番悲惨です。。
昔 そうした患者さんが 外来に来たことがあります。
by 勤務医です。 (2008-09-25 20:54) 

rirufa

劇症肝炎だったのですね。
予想が外れてショックです。

>劇症肝炎訴訟
あんまり口を出してはいけないことかもしれませんが、文句を言いたくなるのもわかるような気がします。

http://members.at.infoseek.co.jp/sin594/fulminant.htm
http://www.asahi-net.or.jp/~uz5m-ysb/index.html

もし、その遺族と同じ立場になって、劇症肝炎について調べまくって、偶然こういうサイトを目にしたら、その医者に文句の一つでもいいたくなります。
裁判をするのは大変なので、訴えることこそしませんが・・・
by rirufa (2008-09-27 05:31) 

なんちゃって救急医

>研修医ぷよ さま
>総合内科医志望さま

はじめまして。ご挨拶ありがとうございます。最近の更新は少な目ですが、左サイドに過去ログ一覧やブログ検索機能にて、過去の記事は利用できるようにしています。よろしくお願いします。

このエントリー、たくさんのコメントをいただきました。ありがとうございます。
by なんちゃって救急医 (2008-09-27 07:28) 

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