SSブログ

「たらい回し」というバイアス [雑感]

  ↓ポチッとランキングにご協力を m(_ _)m
 

このブログは、7/1にm3ブログから今のso-netブログに引越してきてきました。前のm3ブログでは3.5ヶ月で約20万アクセス、so-netブログに引っ越してからは、本日で10万アクセスを突破しました。まことにありがとうございます。

昨年秋は、高校の卒業単位不足の問題で、マスコミが賑わった。一つの記事がでると、でるわ、でるわ・・・次から、そんな感じの報道でしたね。 冬場は、タミフル、異常行動ばかりでしたね。 最近、聞きませんね、どうしたのかなあ???、タミフル。その後の検証報道はどうしたのでしょう? マスコミって、騒ぐだけ騒いでおいで、後知らないって感じがしませんか、皆さん。

つまり、マスコミ報道は、発信するか発信しないかという一番最初の段階で必ず「選択」という恣意が入るのわけですから、すべての報道において、バイアスがかかったものと見なければなりません

ところで、ここ最近は、「たらい回し」が流行のようです。マスコミさんの間では・・・・・。
本当に困ったものですね。

奈良の死産の事例をきっかけに、また、でるわ、でるわ という感じですね。 千葉、北海道など・・・・。
マスコミさん、意図的に、記事にしようと思って捜してませんか? 捜してるでしょうね・・・。
だけど捏造はいけませんよ。お願いしますわ、そこのとこは。

私は、こういう報道の結果、社会の中での救急医療の信頼にひびがはいってしまうのでないかと危惧しています。

世の中、決してたらい回しが増えたわけではないんです。報道が増えただけなんです。そこのところをどうか勘違いのないようにお願いします。

そんなわけで、救急要請を引き受けて、救急初療を行なう私としては、はっきり言って迷惑な報道です。

しかし、私は、報道に惑わされることなく、 自分の力、その時点での場の力、自分の所属する病院の力 などを救急要請がある度毎に、一例一例真摯に判断して、要請を受けるときは受けるし、お断りするときはお断りする という自分の姿勢を貫き通し続けたいと思います。

どこぞやのお医者さんのブログで、奈良の死産事例に関して、奈良の先生のご苦労を察する配慮もなく、ただの精神論的な意見をのべて、炎上させてしまったようです。 何でも診るぞ! 決して断らないぞ! という精神は、医療者として大切なものだとは私は思います。しかし、その価値観は、決して他人に強要するものであってはならないと思います。職場の中で、上司が部下に強要するものであれば、もはやそれは、パワーハラスメントではないでしょうか?

もし、みなさんが、良い医療を受けられたと思ったとき、どうかそのことを声に出してください。お願いします。 人は、negative feed backだけは、モチベーションが続きません。
今の社会は、私達の医療に対して、あまりにnegative feed backすぎませんか?
闇に埋もれてしまっている良い医療は、実は当たり前すぎて、気がついていないだけかもしれません。
どうか、皆様の積極的な我々に対するpositive feed backをお待ちしております。


コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

コメント 6

コメントの受付は締め切りました
当直明けの素直な内科医

いつも共感させていただいたり、勉強させていただいたり(時にはこれは私なら全くわからないのだろうな と地雷ケースに恐怖を感じつつ)読ませていただいております。最近の医療バッシングについては今更どうこうと文句を言っても始まらないのかもしれませんが、そろそろ国民、患者さんサイドも健康を守る影でどれだけの医療関係者の努力があるのかを本当の意味で気がついて欲しいと願っています しかし一方で急に体がおかしくなったときに最高の医療をいつでも受けたいという気持ちも十分に理解できます
もしそれを本当に実現させたいのであれば、医療関係者のボランティア精神に頼って医療体制を維持するというのではなく、それなりの投資(国、自治体、民間、患者がそれぞれの立場で)を行なわなければならないということを気がつき、さっさと実行していただければと祈っております。
医療関係者以外の健康な人にとっては所詮他人事だと 考えているうちは何も変らないかもしれません(マスコミ関係者も報道をしながら、他人事だと考えていないでしょうか?もし切実に考えているのならもっと医療の現場を詳細に調査して、実態を認識しているはずで、今のような表面だけの事象にとらわれた ややもすると恣意的で感情的な報道はされないはずです)
ちょっと愚痴めいたコメントで失礼をいたしました 千葉や北海道の報道のされ方をみて、相変わらずマスコミは と感じたものなので。
by 当直明けの素直な内科医 (2007-09-06 07:29) 

こんた

negative feed back
positive feed back
恐らく、一般の方には判らない表現ではないかと..
でも、なかなか、日本語の良い言い回しが浮かびませんね
by こんた (2007-09-06 16:46) 

Med_Law

ちょっと違和感が。。。。。

普通はPositive Feedbackは、連鎖反応というか、爆発に近い反応を起こすのに使われるので、本来は、報道が国民に冷静な意見を求めたり、正確な情報を与えて判断させるNegative Feedbackが報道の役割のはず

問題は、このようなChain Reactionをどうやって断ち切るかなのだけれど、日本のマスゴミは煽るのは得意でも、啓蒙は不得意なようだし、日本国民はマスゴミと踊るのは得意でも、マスゴミを正す能力には欠けているようだし。。。。

フランスなら間違いなく産科医がストか、サボタージュするだろうけどね
産科医も労働者であることを考えれば、当然の権利なのだけど、その恩恵を受けている立場のものに感謝の気持ちがないのなら、産科医を引き止める倫理的歯止めもなかろう

産科医の先生方、どうぞ、御自身の身を自分でお守り下さい
by Med_Law (2007-09-06 17:55) 

masaking

私はDrではありませんが病院で働くいちコメディカルとして・・・。
どうしてマスコミはこのように何でもかんでも報道するのでしょうか?
このような過熱報道が続くために捏造報道が生まれてくるのではないのでしょうか???
実際に、今年の春ころ過熱報道のために麻疹の検査がストップしてしまいました。ホントに必要な方に検査をすることができなくなってしまいました。
奈良の妊婦さんは同じ女性として本当に気の毒だと思いますが、報道も病院側にも立って報道をしていただきたいと思います。
by masaking (2007-09-06 23:12) 

元なんちゃって救急医

>当直明けの素直な内科医様

コメントありがとうございます。「他人事」というご指摘ごもっともだと思います。

>こんた様
そうですよねえ。 インストラクター用語ですからね。

>Med_Law 様
ご指摘のように、自分の身は自分で守るとスタンス、大事だと思います。

>masaking 様
そうですね。麻疹騒ぎにもずいぶんと振り回わされましたね。
病院の努力もきちんと検証報道してほしいところですが、そんなのは、おもしろくないからとの理由で却下でしょうね。マスコミは。
by 元なんちゃって救急医 (2007-09-07 12:00) 

Kenny(一般人)

普段は先生方,救急隊員の方々になかなか感謝の場所がありませんので,この場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います.
私の家族が救急のお世話になったことは何度かありますが,そのどれもとても感謝しております.
比較的記憶に新しいのは,長男の肺炎と次男の出産時です.

長男(当時2~3歳?)はある日から「せき」と「高熱」(39度~41度)が出始めました.最初は風邪かな?と思い様子を見ていたのですが,なかなか治まりませんでした.
「いつもとちょっと違うな?」と思ったのは解熱剤を飲ませても熱が39度以下にはほとんど下がらなかったことでした.ただ,本人は比較的元気でしたので,1週間程様子を見ていたのですが,ある日の夜中(3時頃?)に寒いといって突然トイレの中で震えながらうずくまってしまったため救急車を呼びました.個人的には救急車を呼ぶことは非常に抵抗があったのですが(直前まで本人元気でしたので・・・),1週間も熱が下がらいということが頭の中にあっため,呼ばせていただきました.
病院では夜間救急の終了間際だったのですが,何とかX線と血液検査が間に合い(助かりました!),肺炎と診断.急遽入院となりました.
あの時搬送していただいた救急隊員の方々,それから心配そうな我々に「本人が元気そうなので大丈夫.数値より本人の様子が重要だから!」といって安心させてくださった先生,本当にありがとうございました.

次男の出産はアメリカでの出来事なので割愛しますが,こちらでも産婦人科の先生,看護婦さんたちには非常にお世話になりました.
最近は医療系ブログをいろいろ拝見させていただいておりますので,この件はまたどこかで機会があれば・・・.

患者側からもっとこういう声を上げていかなくてはいけませんね.
ほんのわずかでもモチベーションを保つ足しになると私としても幸いです.
by Kenny(一般人) (2007-09-17 23:49) 

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。