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墨東病院の報道について [医療記事]

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墨東病院は、石原都知事の東京ER構想において、その指定病院の一つです。ERの運用には、種々の問題は当然ありますが、日本救急医学会においても、その診療システム運用に関して学会発表などもなされています。救急診療においては、activityの高い病院と私は認識しています。

そんな墨東病院がメディア報道の風評被害にあうかもしれません。そんな報道がなされています。 

前エントリーのコメント欄で話題に上がったこともありますので、墨東病院の例の報道記事を今日は取り上げてみます。

メディア報道は、事実を的確に報道するものとは限りません。そもそも生情報には、何らかの加工が必ず行われます。当然そこに、各社の担当者の意図が必ず介入します。そうしてメディア報道情報ができるわけですから、加工者の意図一つで、報道印象はどうにでもなるわけです。多くの大衆を意図通りに誘導できる可能性が常にあるわけです。医療情報の場合、私達医療者からみて、極めて不適切な情報が流されることが多いとはっきりといっておきます。もちろん、報道者側の無知、無理解もあるでしょう。裏取引的な政治的かけひきもあるでしょう。ときには、悪意もあるでしょう。

メディア情報は、つねに疑義の目をもって接すること。

不適切な報道のために、メディア・リテラシーの未熟な方々が医療に対して変な誤解をしないように我々医療者は、我々からの視点を、少しでも伝え続けなければなりません。

そうしないと、医療者と患者の溝が、メディアのせいで、どんどん深くなっていくからです。

例の墨東病院の報道4つを並べてみます。

朝日はまあまあ。産経は、なんだか残念そう。最悪は、TBSです。医師の診療行為と死亡との因果関係は、密接でないという、墨東病院の名誉を保つべき一番重要な情報が抜けています。これは、意図的に抜かしたのでしょうか?不本意ながら抜けたのでしょうか? 少なくとも1月29日にTBSから追加記事がネットには上がっていません。だとすれば、やっぱり意図的? と見えてしまいます。このTBSのニュースをテレビで見た人は、どう感じるでしょうか? 

もし、本当に直接利害関係にある方々が、このTBS報道で実際的な不利益を受けた場合には、是非、BPO(放送倫理・番組向上機構)に訴えてください。

(1)朝日  http://www.asahi.com/national/update/0129/TKY200801280446.html  魚拓

「血腫見落とし」、過失は認めず 墨東病院、帰宅後死亡 2008年01月29日01時10分

 頭をけられた男性が東京都墨田区の都立墨東病院で診察を受けて帰宅した後、容体が急変し死亡した事件で、警視庁は28日、診察したいずれも31歳の男性研修医2人について「脳の血腫の見落としはあったが、たとえ入院させていても救命は非常に難しく、
医療行為上の過失は認められない」と判断したと発表。書類を東京地検に送った。死亡したのは江東区大島8丁目、作業員佐藤実さん(59)。捜査1課などの調べでは、医師2人は昨年10月22日夜、佐藤さんの頭部のエックス線検査で急性硬膜下血腫の所見を見落とし、帰宅させた。1週間後に再出血し同病院に入院したが、同月31日死亡した。

(2)産経 G-searchより検索

作業員の受診後死亡、医師立件は困難 警視庁 2008.01.29 東京朝刊 25頁 首都 (全238字) 

 〈東京〉中央区のマンション建築現場で昨年10月、社長に暴行された作業員が受診した約1週間後に 死亡した事件で、医師の診察ミスが死亡につながった疑いもあるとみて捜査していた警視庁は28日、ミスはあったが死亡を防げなかったと判断、立件困難とする捜査結果を東京地検に送付した。調べでは、佐藤実さん(59)は10月22日夕、社長の鎌倉孝之被告(28)=傷害致死罪で起訴=にけられるなどし、31日に死亡。暴行当日に病院で診察を受けたが男性医師(31)らが
急性くも膜下 血腫を見落とし。 
産経新聞社

(3)TBS(動画あり)  http://news.tbs.co.jp/20080128/newseye/tbs_newseye3765434.html   魚拓

脳内出血見落とす、医師ら書類送検へ

去年10月、建築会社社長の男が部下の男性の頭を蹴り上げ死亡させた事件で、警視庁は、男性の
脳内出血を見落としたとして、担当した都立墨東病院の医師2人を28日午後書類送検する方針です。業務上過失致死の疑いで書類送検されるのは、都立墨東病院のいずれも31歳の男性医師2人です。この事件は去年10月、中央区勝どきのマンション建設現場で、建築作業員・佐藤実さん(当時59)が建築会社の社長・鎌倉孝之被告(28)に頭を蹴り上げられ死亡したものです。佐藤さんは頭を蹴られた後、都立墨東病院で治療を受けましたが、調べによりますと、この時担当した男性医師2人は、佐藤さんの頭の中に出血があったのを見落としたということです。佐藤さんは1週間後に異常を訴え、手術を受けたものの、硬膜下血腫で死亡しました。(28日11:42)

(4) 昨年12月の時点での記事  朝日 G-searchより検索

東京・中央の建設現場で暴行うけ受診後、容体急変し死亡 病院からも事情聴く
2007.12.03 東京夕刊 15頁 1社会 (全458字) 

建設現場で作業員男性をけって死なせたとして、警視庁は3日、建築会社長の男を傷害致死の疑いで逮捕した。男性は直後に東京都墨田区の都立墨東病院で受診したがそのまま帰宅し、その後容体が急変し、9日後に死亡している。同庁は担当医師らから事情を聴くなどして、病院側の対応についても調べている 。調べでは、男は千葉県市川市南大野1丁目の鎌倉孝之容疑者(28)。10月22日午後4時ごろ、中央区勝どき6丁目の工事現場で、作業員佐藤実さん(59)=江東区大島8丁目=の頭をヘルメットの上 から安全靴でけりあげ、死亡させた疑い。容疑を認めているという。調べや墨東病院によると、佐藤さんはその夜、自ら通院。「頭を靴でたたかれ、痛い」と訴え、
CTスキャンやエックス線検査を受けた。数日後、皮膚の病気で別の病院に入院した後、容体が急変。29日朝 に墨東病院に搬送され、脳の血腫を取り除く手術を受けたが、31日未明死亡した。同病院によると、22日の来院時、救急診療科の男性医師2人が診察。医師らは「血腫はなく特段の問 題はない」と判断し帰宅させたという。  朝日新聞社

これらの情報筋から、時間経過をまとめて見ます。

10月22日 16時  頭部受傷
         夜   墨東病院受診  CT、X線検査 ⇒帰宅
                <事後的に見てこのときの所見>
                  ・急性硬膜下血腫?
                  ・異常なし?
                  ・(外傷性)くも膜下出血?
                  ・脳内出血?

10月2X日      皮膚疾患治療のため別の病院に入院
         ?時   急変

10月29日  朝   墨東病院へ転送され、硬膜下血腫の手術

10月31日  未明  死亡

さて、医学的な因果関係を考えて見ましょう。 なんだか不自然です。

急性硬膜下血腫にしては、急変までの時間が長すぎるような気がします。 脳外科の先生方いかがでしょうか?
参考エントリー:あなどれない頭部打撲

では、外傷性くも膜下出血だったら・・・・・。軽微なものは、確かに救急の現場で、後出しで指摘を受け、「あっ、しまった」ということは、比較的多くあります。 しかし、その場合は、その程度の出血なので、内因性のくも膜下出血と比べて、再出血が怖いというものではありません。 軽微な外傷性SAHは、保存的に様子をみます。だとすると、やはり、これでも、急変との時間的因果関係がすっきりしません

もしかしたら、10月2X日、急変の直前に、新たな外傷のエピソードがあったのではないでしょうか?
それに誰も気がついていないのではないでしょうか?そんな可能性が私の頭をよぎりました。

でも、それならば、本人の申告があってもいいですよねえ? 
ということで、もうひとつ、違う仮説を立ててみます。 

その仮説を述べる前に、悲しい症例をお伝えします。

4歳 女児  頭部打撲後のレベル低下

生来健康。問題なく生育していた4歳女児。2歳の弟がいた。 二人が自宅でじゃれあって遊んでいた。その際、おでこ同士がゴツンとぶつかる”ごっつんこ”の出来事があった。受傷直後、少し痛がっていたがまた遊びだしたという。その後ほどなくして3回ほど嘔吐が出現した。さらに3時間後、うとうとしだして様子が変と感じた両親が救急車を要請した。 来院時の意識レベルはJCSのⅡ群だった。 その女児のCTである。

小脳出血である。 とても今回の受傷機転程度で生じる出血ではない。では、何があるのか? 実は入院後に、女児は、もやもや病であったことが判明した・・・・・・。 残念ながら女児は死亡した・・・・・・。

さあ、死亡と外傷の因果関係はいかがですか? 仮にこれが、保育所での出来事であったならなら、”ごっつんこ”を回避できなかった保育所の管理監督責任でしょうか? 場所が自宅でなければ、マスコミが飛びつきそうな記事になりそうです。なんか割り切れないですよね。

つまり、物事の因果関係は、必ずしもシンプル、つまり一対一ではないのです。この女児の場合は、死亡原因の主因はもやもや病です。たしかに、原因の副因としては、軽微な外傷があるのかもしれませんが・・・。

クリティカルシンキング 入門編 北大路書房 P35から引用しておきます。

人は目に付く出来事や、他のすべての出来事の中から浮き上がって見える出来事だけに着目し、それが原因で即断してしまう傾向があるので注意せよ

女児の例でいえば、外傷は見える出来事です。もやもや病と診断されたという出来事は、診断がつくまでは大変見えにくい出来事です。受傷と死亡の時間関係の不自然さを考えると、墨東病院の事例も、もしかしたら、医学的にはこの女児のケースと似たようなことが起きていたという可能性も充分に考えられるわけです。

いずれにせよ、我々第三者は、メディア情報しかソースがないわけで、断定的なことを言える立場にはありません。ですが、報道では、死亡との因果関係を100%頭部打撲と断定している書き方です。

それは本当にそうでしょうか?

私は、そのような疑いの眼をもって報道記事に接することがとても大事だと思います。

だから、私のような見え方もできるということを、できるだけ多くの方々に、お伝えしておきたいと思いました。

いずれにせよ、墨東病院のこの事例は、不起訴が妥当でしょう。検察の良識ある判断を待ちたいと思います。


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コメント 21

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Bundo

なんちゃって救急医様の分析通り、確かに納得のいかない臨床経過だと思います。気になるのは「入院を要する皮膚科疾患」は何だったのか?です。
墨東には初診以降は受診していないようですし(受診するほどの症状はなかったのでしょう)、まさに想定外の急変が起こったとしか考えられませんね。

話ついでですが、ERでの患者への画像の説明に際しては、必ず「このフィルムを見る限り明らかな○○(骨折や出血など)は認めません。ただこれから変化が表れる事があります・・」という文言とカルテ記載をするよう研修医には口うるさく指導しています。もちろんパンフレットも渡しています。
by Bundo (2008-01-29 22:04) 

moto

まあ、妄想で申しわけ無いんですが・・

28歳の建設会社社長なんてのは、2世に決まってます。息子が傷害致死で捕まった・・親としては、何とかならんかと、地元の政治家に相談した。政治家は日頃後援してもらってるんで、なんか気の利いたことしてやろうと考えあぐねて「そういや、最初の病院では、何ともないとの見立てだった、医者の誤診で死んだのなら、少しは罪が軽くなるかもしれん」と思いついた。地元政治家から、警察の上の方に「ちゃんと調べよ」と電話が入って、上司からの指示で、刑事が動いた。・・警察にしてみても、医者も逮捕できれば、一度に2人犯罪者を検挙できる(実績があがる)から、悪い話ではない。しかし捜査の結果犯罪性なかった(誤診と考えにくい)。しかし、政治家の手前、書類送検くらいはしておこう、という話になった・・・

なんて話だったら嫌だなあ。
by moto (2008-01-29 22:24) 

僻地外科医

>moto先生

 いやいや、警察だって送検->不起訴じゃ逆にポイントが下がりますって。
悪い話ではない・・・じゃなく、ごねた奴がいるから仕方が無く動いた->動いた以上は送検しなきゃなんないだろうね、これ・・・って感じだと思いますよ。

 つか、常識的に考えても悪いのは頭蹴った馬鹿者でしょ、これは。
by 僻地外科医 (2008-01-29 23:23) 

moto

しかし、墨東の先生、CT撮っておいて、ほんと良かったですね。
もし、CT撮って無かったら、えらいことになってたですよ・・
最近書類送検された、もうひとつの、直腸穿孔見落としたケースのほうは、CT撮ってたのが命取りだったわけですが。見落とした証拠が残っちゃってるわけですからね~。
CTは撮る、撮った以上は、しっかりと読む。勉強するしかないのか・・
(変な話、あんまり最新式のCTが病院に入って無い方が、医者は安全なのかも)
by moto (2008-01-30 00:04) 

ハッスル

風邪で熱が下がりません→本当ですか?
胃が痛いので胃薬をください→本当ですか?
今まで病気を指摘されたことはありません→本当ですか?
事故ですが、手以外には怪我していません→本当ですか?

これも一種のリテラシーでしょうか。
もともと限られた情報(患者さんがその情報の必要性を気づいていなかったり、意図的であったり)の中で診療を行っているので、報道のようなとんとん拍子の起承転結とは正反対で生活しています。
ですから、単純な報道内容には、数年前までは”わかっていないなあ””そんなわけない”と静観していましたが、最近は”そう単純に原因と結論を導き出さないでください”と言いたいです。

主観と客観を自覚していない報道はきわめて悪質だと思います。
現場での判断におけるCTなどの画像診断の役割については、きわめて限定的だと思っています。陽性所見の評価はそのまま、陰性の評価は点の段階で行わなず時間経過で補填すること、に尽きると思っています。
by ハッスル (2008-01-30 09:16) 

Med_Law

『脳の血腫の見落としはあった』という警察発表って何事なのでしょう

硬膜下血腫の見落としがあったのなら、「救命可能性がなかった」は矛盾する。
”『脳の血腫の見落としはあった』に違いない”と警察が考えて捜査したとしても、その確証がないのなら、誤認捜査であった。”被疑者として対応したことを陳謝する”くらいの対応が欲しいもの

人助けをしていたのに、人殺し呼ばわりして、謝罪もしない。

死亡された傷害事件の被害者家族は、病院・医師を民事で訴えることも当然ながら検討することになるだろう


余計な騒動に巻き込みやがって!
フザケルナ!
by Med_Law (2008-01-30 09:39) 

元脳神経外科専門医

最初の頭部打撲が原因で数日後に急変するということを一元的に考えるとすれば、受傷時外傷性SAH-外傷性動脈瘤形成-破裂が考えられないでしょうか。もしそうだとしても初診医には何も落ち度はないと思います。地雷を踏んでしまいお気の毒ですが、こういうことを責められるなら、私自身、一線を退いた今もやはり地雷から逃れることはできません。完全に逃れるためには医師をやめるしかなくなりますね。今回の「医療行為上の過失は認められない」の判断には少し安心しましたが、これからの医療事故の判断がこういう流れになるという保障は何もありませんねぇ。
by 元脳神経外科専門医 (2008-01-30 09:52) 

moto

警察は、社長の傷害致死の立件のために、直後の受診時に何か所見があったことにしたかったのかも知れないですね。一週間あいての急変だと、因果関係をつかれるかもしれませんから。
だとしたら、墨東の先生、えらいとばっちり受けたわけですが。
by moto (2008-01-30 11:28) 

yt

非法曹は書類送検というといかにも犯罪者扱いのようなイメージを持ち、マスコミもそのような文脈で報道をしていますがそうではないという事を理解しておく必要があると思います。私もこの事件に関連して2chの書き込みを見るまでそう思い込んでいたのですが

155 名前:名無しさん@八周年[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 16:28:04 ID:PyZs9QSO0
法律上は、警察は捜査に着手しちゃったら、捜査が終わった段階で
検察庁に事件を送らなくちゃならないわけで。
逮捕してたりして身柄を拘束してる場合は、身柄ごと送るけど、
身柄を拘束してない場合は、書類だけ検察庁に送ることになる。これが書類送検。
この送検というのは、立件できるかどうかに関わらず行うわけで。
(多分、遺族か、あるいは社長の刑事弁護人が告訴したんじゃないかと
思われるが)告訴が行われれば、警察は捜査せざるを得ないし、
捜査した以上は、検察庁に送らざるを得なくなる。

との事です。

裏を取るために書類送検をウィキペディアで調べたところ
司法警察員が犯罪の捜査をしたときは、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない(刑事訴訟法246条本文)。
検察官が指定した事件については例外的に送致しなくともよいと定められている(微罪処分、同条但し書)
司法警察員が告訴または告発を受けた場合、または自首の場合には、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない(同法242条、245条)。

一般的に書類送検というと犯罪者のようなイメージを持ってしまうのでどちらにせよ救急医療に従事する医師に与える影響は大きいでしょうが。
by yt (2008-01-30 11:45) 

ひまじん

パッと見ると、社長の暴行事件なのに病院の医療事故みたいに見えます。
by ひまじん (2008-01-30 13:58) 

ひまじん

あっ、もっと奥が深いという話ですか。すいません。
by ひまじん (2008-01-30 14:16) 

元なんちゃって救急医

皆様、コメントありがとうございます。

元脳外科専門医先生のご指摘は大変勉強になりました。ありがとうございます。外傷性動脈瘤の再出血を考えてみること・・・・・ 肝に銘じます。

しかし、よくよく考えてみると・・・・なんでこれが医療事故扱いなんでしょう? 傷害致死じゃないのか? その加害者が叩かれずになんで医者が叩かれるの? 

そんな当たり前のことに気がつきませんでした・・・・

私も視野狭窄ですね・・・・
by 元なんちゃって救急医 (2008-01-30 20:48) 

uuchan

入院を要する皮膚疾患→出血斑→血液疾患(APLなど)→脳出血・・・
という経過はどうでしょうか。
by uuchan (2008-01-30 21:58) 

通りすがり

大したことのない急性硬膜下血腫が慢性硬膜下血腫になる過程で、慢性硬膜下血腫に稀に認める急性増悪を来たした、というのが真相。
by 通りすがり (2008-01-31 01:21) 

Taichan

新たな外傷があった可能性は十分考えられます。この症例、剖検、司法解剖はとれたのでしょうか?慢性硬膜下血腫の急性憎悪にしてはたった1週間では考えにくいです。敢えて言えば亜急性。

最初のCTで見逃したのは事実ですが、慣れた脳外科医でも見逃すことはあります。悩む時はMRIを直ちに撮りますが、墨東病院が緊急でMRIはういつでも撮れる病院なのか?私は存じ上げません。

もう一つ気になっているのは研修医が訴えられているということです。通常、指導医がCTを確認してから帰宅させるはずですが、研修医の指導体制に疑問を持ちました。
by Taichan (2008-01-31 13:45) 

Taichan

外傷性動脈瘤破裂でしたら、解剖所見で明らかになるはずです。解剖がとれてないならば原因は不明のままですが、、、
by Taichan (2008-01-31 13:46) 

Taichan

何度もすみません。手術してましたね。
1.新たな外傷の可能性
2.外傷性動脈瘤破裂の可能性
ただこれは術中の所見で何か分かるはずですが、、、執刀した脳外科医のコメントを聞いてみたいです。
by Taichan (2008-01-31 13:49) 

通りすがり

ttp://square.umin.ac.jp/neuroinf/patient/307.html
>2. 慢性硬膜下血腫の症状の特徴について

>また時として急激な意識障害,片麻痺で発症し,さらには生命に
>危険を及ぼす場合(脳ヘルニア)の急性増悪型慢性硬膜下血腫も
>存在します。この時は重症な脳卒中と極めて似た症状を示します。
(一部抜粋)

それなりに経験のある脳外科医なら、皆経験のあることと思います。
この件については色々とWebでも話題になっていますが、どうも憶測が横道にそれ過ぎた意見が多すぎるように思い、書き込ませて頂きました。では失礼します。
by 通りすがり (2008-02-01 02:32) 

研修医

>>Taichanさま

私は僻地病院で研修している研修医ですが、時にCTを撮って自分の判断で帰すことがあります。無責任だと言われるかもしれませんが、指導医の先生を夜中2時、3時にたたき起こしてしまうことに遠慮してしまうのです。

また、指導医についても、卒後4年目の眼科医が全科当直をしており、その下で当直をすることもあります。とても、毎回脳外科医コールできるような状況ではありませんし、正直、卒後4年目でも2年目でも頭部CTの読影力に大差はないように思えます。

もちろん、訴訟に備えて、指導医に相談することは必須だというのは分かりますが、それを言い出せば、コンビニ外来にやってくる風邪患者全員を相談しなければならなくなります。とても現実的ではない、というのが実情です・・・
by 研修医 (2008-02-01 23:49) 

元なんちゃって救急医

>研修医 先生

とても努力されておられるようですね。ご苦労様です。
初期研修医と後期研修医とで、対応のあり方は変わってきますが、
ここでは、初期研修医としてのあり方の私見を述べておきます。

「全例を相談する。カルテに指導医サインを残す」

というのが私の考えです。 風邪とて、たかが風邪されど風邪。
最初から、すべてが軽症とはだれもわかりません。

二人の医師が相談するというコミュニケーションを重視します。
by 元なんちゃって救急医 (2008-02-02 06:27) 

ハッスル

>研修医先生

CTの読影そのものを呼び出しでお願いできなくても、かまわないと思います。ただし、先生にそこまでの配慮を必要とさせていることを、周囲の上級医が理解しているかが問題だと思います。
眼科の先生でいいと思います。①なるべく最低限の事前情報で複数の眼でCTを診てもらうこと、②来た症例につき翌日にでもチェックとフィードバックの機能を働かす、ことが大事です。
訴訟に備えることもそうですが、患者に”避けられた””傷害”を遺さない為に、事前にできること、で考えてみられたらどうでしょうか。

一人ではできません。それで対応できないようなら、お互いが危険地帯にいると認識されたほうがいいと思います。
by ハッスル (2008-02-04 17:30) 

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